「みどりの食料システム戦略」関連情報
2024年04月15日
みどりの食料システム戦略とは
我が国の食料・農林水産業は、大規模自然災害・地球温暖化、生産者の減少等の生産基盤の脆弱化・地域コミュニティの衰退、新型コロナを契機とした生産・消費の変化などの政策課題に直面しており、将来にわたって食料の安定供給を図るためには、災害や温暖化に強く、生産者の減少やポストコロナも見据えた農林水産行政を推進していく必要があります。
このような中、健康な食生活や持続的な生産・消費の活発化やESG投資(※)市場の拡大に加え、諸外国でも環境や健康に関する戦略を策定するなどの動きが見られます。今後、このようなSDGsや環境を重視する国内外の動きが加速していくと見込まれる中、我が国の食料・農林水産業においてもこれらに的確に対応し、持続可能な食料システムを構築することが急務となっています。
このため、農林水産省では、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現する「みどりの食料システム戦略」を策定しました。
※ ESG投資:環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3つの観点から企業を評価して行う投資のこと
(農林水産省ホームページより)
農政の情報
●みどりの食料システム戦略(農林水産省)
●「みどりの食料システム戦略」の解説と今後の展望についてお話を伺いました
みどりの食料システム戦略が公表されて3年が経過、みどりの食料システム法ができて2年がたちました。また、このたび、食料・農業・農村基本法の改正法が成立し、施行されました。そこで、清水治弥氏(農林水産省大臣官房環境バイオマス政策課みどりの食料システム戦略グループ 持続的食料システム調整官)に、みどりの食料システム戦略について、また、基本法の関連情報も含めてお話を伺いました。詳細はこちらから。
「【予告編】「みどりの食料システム戦略」の解説と今後の展望についてお話を伺いました」(YouTube)
●グリーンな栽培体系(農林水産省)
農林水産省は、みどりの食料システム戦略の実現に向けて、それぞれの産地に適した「環境にやさしい栽培技術」と「省力化に資する先端技術等」を取り入れた「グリーンな栽培体系」を推進しています。
●農林水産分野のJ-クレジット制度(農林水産省)
農林水産省の「J-クレジット制度」に関する取組を紹介しています。
●温室効果ガス削減の見える化ラベル(農林水産省)
温室効果ガス削減「見える化」実証事業で、温室効果ガスの削減を星の数で表示(見える化)した農産物はどのような栽培をしているか、そしてその販売先について掲載しています。
●オーガニックビレッジのページ(農林水産省)
「オーガニックビレッジ」とは、有機農業の生産から消費まで一貫し、農業者のみならず事業者や地域内外の住民を巻き込んだ地域ぐるみの取組を進める市町村のことで、農林水産省は、このような先進的なモデル地区を順次創出し、横展開を図っていくこととしています。
●「みどりの品種育成方針」の策定について(農林水産技術会議)
みどり戦略の目標達成に資する品種育成とその迅速化を図るスマート育種基盤の構築に向け、その手順や到達目標、同基盤の活用を核としたこれからの作物育種の方向性を示しています。
「みどりの食料システム戦略」技術カタログから
『「みどりの食料システム戦略」技術カタログ』からピックアップした技術を分かりやすくご紹介しています。
○防除効果の高い、 新たな水稲種籾の高温温湯消毒技術
○メタン発酵の副産物である消化液の液肥利用(水稲・畑作)
○水田の中干し延長によるメタン排出量の削減
○高能率水田用除草機を活用した水稲有機栽培体系
○高窒素鶏糞を活用した水稲の減化学肥料栽培
○緑肥を活用したカンショの高品質栽培技術
○マルチ下への局所施肥を中心とした施肥改善による畑土壌由来N2O発生量の削減
○キュウリモザイク病を引き起こすCMVとWMVの 同時防除が可能な混合ワクチン接種苗
○畑地の地力窒素簡易診断を活用した窒素の適正施肥量
○AIを活用した病害虫の画像診断アプリ
○長期草生栽培による、モモ園の「土壌有機物蓄積」と「果実生産期間の延長」
○温水を用いた果樹白紋羽病の治療技術
○コウモリを忌避する行動習性を活用したガ類害虫の超音波防除技術
○低濃度エタノールを用いた土壌還元消毒法
○紫外線(UVB)照射によるイチゴの病害虫防除技術
○家畜・家禽へのアミノ酸バランス改善飼料による温室効果ガス削減
○畜産排水からのリン回収技術
○高速作業が可能な不耕起対応播種機
○有機質資材の肥効見える化アプリ
○一酸化二窒素の発生を抑制する茶園の土壌管理技術
○電動の農業用追従ロボット「メカロン」による農業の省力化・軽労化
▼「みどりの食料システム戦略」技術カタログはこちら(農林水産省ホームページ)
関連する技術情報
これまで「みんなの農業広場」に掲載した中から、「みどりの食料システム戦略」に関連する情報をピックアップしてみました。
○高温登熟性に優れ縞葉枯病に強い水稲良食味品種「とちぎの星」
○中生晩熟期の高温耐性多収水稲「実りつくし」
○流し込み施肥法
○水稲の有機栽培技術とカバークロップの利用法
○アイガモ・水稲同時作(アイガモ農法)
○農薬に頼らない雑草防除法
○農薬を削減する虫害防除法
○苗作りの実際―箱育苗について
○緑肥を活用したサツマイモ「ベニアズマ」の高品質栽培技術
○多収で病虫害抵抗性が優れるでん粉原料用カンショ「こないしん」
○大豆編 播種前の作業Ⅱ土づくりと地力の維持
○夏まきニンジンの有機栽培における太陽熱を利用した雑草対策の実用性
○施薬機を利用したながいも根腐病の効率的薬剤処理技術の開発(令和4年度 青森県)
○礫質ほ場における効果的な排水対策及び緑肥活用の実証(島根県 令和4年度)
○転炉スラグを用いた土壌pH矯正によるホウレンソウ萎凋病の被害軽減
○大麦を利用したリビングマルチによる害虫抑制効果
○クロタラリアと鶏ふん堆肥を利用した秋作ブロッコリーの減化学肥料栽培
○晩生カンキツ新品種「瑞季(みずき)」
○温水を使って果樹白紋羽病を治療する
○茨城県における露地ナシIPM実証調査(茨城県 令和3年度)
○ハウスミカン栽培における新しい天敵農薬を利用したハダニ防除技術の検討(愛知県 平成30年度)
○佐賀県におけるハウスミカンIPM実証調査(佐賀県 平成24年度)
○緑肥(ライ麦)との輪作による土壌物理性改善が夏秋トマトの安定生産に与える影響
○紫外線の低照度・夜間照射によるイチゴうどんこ病の効率的防除技術
○さまざまな作物でアブラムシ防除に有効な「飛ばないナミテントウ」
○佐賀県佐城地域の促成イチゴにおける天敵資材等を用いたIPM技術体系の検討(佐賀県 令和3年度)
○福岡県八女地域の促成イチゴにおける天敵資材等を用いたIPM技術体系の検討(福岡県 令和2年度)
○千葉県におけるいちごIPM実証調査(千葉県 平成30年度)
○静岡県東部地域におけるいちごIPM実証調査(静岡県 平成30年度)
○高知県須崎市(須崎地域)における施設キュウリのIPM技術の組み立て(高知県 平成30年度)
○施設メロンのIPM実証調査(高知県 平成26年度)
○高知県における施設キュウリの土着天敵利用型IPM実証調査(高知県 平成27年度)
○促成ナスにおけるIPM技術の検討(福岡県 平成24年度)
○露地ナス栽培における天敵農薬および土着天敵を活用した微小害虫防除効果の検証(群馬県 平成29年度)
○群馬県におけるキュウリIPM実証調査(群馬県 平成24年度)
○促成イチゴの育苗期におけるハダニ類天敵を用いたIPM防除技術の検討(平成29年度 熊本県)
○熊本市における促成スイカのIPM実証調査(熊本県 平成26年度)
○緑肥のすき込みについて
○緑肥、わら、収穫残さのすき込み
○夏季の高温を活用した太陽熱土壌消毒
J-クレジット制度
J-クレジット制度とは、省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用によるCO2等の排出削減量や、適切な森林管理によるCO2等の吸収量を「クレジット」として国が認証する制度です。
この制度は、国内クレジット制度とオフセット・クレジット(J-VER)制度が発展的に統合した制度で、国により運営されています。この制度により創出されたクレジットは、経団連カーボンニュートラル行動計画の目標達成やカーボン・オフセットなど、様々な用途に活用できます。
この制度を活用した場合、地球温暖化対策への積極的な取組としてPR効果が期待できることに加え、クレジットを温室効果ガスを排出する側の大企業等へ売却することで、売却益を得ることができます。
(「J-クレジット制度」ホームページおよび
「農林水産分野のJ-クレジット制度」ホームページ)より
○クボタ大地のいぶき
(クボタがはじめるJ-クレジット支援サービス)
(株)クボタのみどり戦略の取り組み
○みどりの食料システム戦略に役立つクボタの技術紹介
農業生産関係を中心に「みどりの食料システム戦略」の目指す方向を解説しつつ、本戦略の実現に向けて営農現場での活用が期待されるクボタの農業機械と、それらを核とした営農技術を掲載しています。
●温室効果ガス削減に向けた技術
●化学農薬の使用量低減に向けた技術
●化学肥料の使用量低減に向けた技術
●有機農業の取組面積拡大に向けた技術