ブロッコリー施肥技術実証試験および定植作業実演会の開催(佐賀県杵島郡白石町)
2023年09月22日
佐賀県農業試験研究センター白石分場では今年度、葉茎菜類の効率的な生産を実践するため、肥料の局所施肥による低コスト化および作業の省力化を目指し、全国農業システム化研究会事業に取り組んでいる。
9月6日、白石分場の実証圃場で、畝成形からの二段局所施肥と機械定植を行う現地実演会が開催された。前日の降雨で、土壌は水分を含む悪条件の中、作業が行われた。
当初、耕起作業は前日までに行う予定であったが、降雨のため、急遽、この日に作業が行われた。圃場は水分を含み、良い状態とは言えなかった
○実証機械の紹介
●畝立同時二段局所施肥機(GRANVISTA KUT-360-GP)
初めに株式会社タイショーから、畝立同時二段局所施肥機の説明があった。
ロータリーは用いず、中にある爪(リッジャ)で作溝・土寄せを行い、ボビンローラで畝立てをすることで、ロータリータイプと比べて作業能率が最大5割も上昇する。また、二段施肥用ホッパーは、工具なしで脱着が可能である。トラクタの天井部にGNSSセンサー・傾斜角度センサーを取り付ければ車速連動となり、傾斜地作業でも高精度に施肥することができる。
水分の多い圃場でしっかりとした畝ができるか不安があったが、問題なく畝形成ができたことには見学者も驚いていた。
農研機構、上田農機株式会社との共同開発で生まれた二段局所施肥機
●半自動移植機(KP-202)
続いて、株式会社クボタから半自動移植機の実演が行われた。
従来の移植機と比べて、条間・株間の適応範囲が拡大し、様々な葉茎菜類の植付けが可能となった。また、手動モンロー(※)に加え、自動モンロー機能も搭載され、圃場状態によって作業方法が選択でき、より定植精度が増した。
施肥同様、悪条件下でも、きれいに定植作業ができた。
(※) モンロー(自動水平機能):地面の凸凹でトラクタが左右に傾いても、作業機は水平になるように自動でコントロールする機能
今後は、得られたデータから新たな技術体系導入による作業性や経営的メリットを整理し、地域導入に向けて提案を行っていく予定だ。(みんなの農業広場事務局)