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緑肥活用に関する研修・実演会を開催(島根県邑南町)

2023年08月04日

 島根県は令和4年度に、全国農業システム化研究会事業により、礫質ほ場での排水対策技術の確立を目的とする実証調査をおこない、カットブレーカー(mini)による排水性の向上を確認するとともに、緑肥を導入した土壌物理性の改良による排水性の向上および窒素肥効によるブロッコリーの生育向上を確認したところである。


(参考)
【島根県】野菜等の効率的生産技術に関する実証調査(令和4年度全国農業システム化研究会実証調査)

礫質土の作業に効果的な排水対策機械「カットブレーカー」の実演会を開催(島根県津和野町)


 今年度は、カットブレーカーの排水性向上効果の継続調査と、緑肥を連年作付した場合の土壌物理性の変化や、緑肥の肥効によるブロッコリーの減肥栽培を実証することとしている。また、新たに追加した圃場でも緑肥の効果について調査をおこなう。

 7月6日には、「緑肥活用に関する研修・実演会」が開催され、県普及関係職員、JA、生産者、資機材メーカー他、約40名の参加があった。


■研修会
 午前中は、田所公民館大ホールを会場に研修会がおこなわれ、農業技術センター技術普及部水田園芸技術普及課の鶴永建治課長による開会のあいさつの後、「緑肥栽培技術と事例について」の情報提供と、「県内で実施している緑肥実証の経過について」の報告があった。


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農業技術センター技術普及部水田園芸技術普及課の鶴永建治課長によるあいさつ


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「緑肥栽培技術と事例について」
株式会社クボタ アグリソリューション推進部の安達克樹技術顧問

 以前所属していた農研機構で実施した、緑肥栽培を伴う輪作体系試験や熱帯牧草パリセードグラスの栽培試験結果などを紹介し、緑肥の効果についての説明をおこなった。


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「県内で実施している緑肥実証の経過について」
農業技術センター技術普及部水田園芸技術普及課の佐々木真一郎主任農業普及員

 前年度、全国農業システム化研究会事業でおこなった試験結果等を報告。礫質圃場での排水対策はカットブレーカーminiが有望であったこと、緑肥のすき込みにより透水性が改善されたことなどの説明があった。


■実演会
 午後には、今年度新たに追加された、「(農)いいとも」の実証圃場で、フレールモアによる「緑肥細断実演会」がおこなわれた。本圃場では、3月に額縁明渠およびサブソイラによる施工、4月には緑肥(ヘアリーベッチ(藤えもん)およびライムギ(ヘイオーツ))の播種をおこなっている。


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この日は、クボタトラクタ(T245D)にニプロフレールモア(FNC1402RF)を取り付けて作業をおこなった


【試験区の概要】
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【実証区(ヘアリーベッチ)】

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作業途中(左)と作業後(右)の圃場
benri_movie1.jpg(クリックで動画再生)


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左 :フレールモアにより、細かく裁断されたヘアリーベッチ
右 :株式会社中四国クボタ ソリューション推進部の山根正一課長による機械の説明


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フレールモアの爪部分をのぞき込む参加者


【実証区(エンバク(ヘイオーツ))】


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作業前(左)と作業後(右)の圃場
benri_movie1.jpg(クリックで動画再生)


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左 :県普及関係職員が試乗して作業
右 :最後に逆回転で作業をおこなうことで、刈り残しに対応


 フレールモアは、アップカットの高速回転により作業時間の短縮が可能で、今回、10aの圃場を計40分ほどで刈り終えることができた。今後は、8月の定植および中耕追肥、10月の収穫調査を経て、今年度の成果を取りまとめる予定だ。(みんなの農業広場事務局)