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野菜




露地野菜の排水対策研修会を開催(福岡県小竹町)

2017年08月15日

 福岡県飯塚普及指導センター管内における水田転作作物は、麦・大豆・飼料用米に加えて露地野菜が主体となっている。露地野菜は初期投資が少なく新規栽培者が取り組みやすいため、順調に面積を拡大してきたが、湿害に弱く、秋の長雨や台風による定植作業の遅れ、その後の生育の遅延などにより、収量が伸び悩んでいる。また、福岡県内にも大きな被害をもたらした7月の九州北部豪雨は記憶に新しいが、近年の局所的な豪雨の発生などから、排水対策がより重要視されている。
 そこで、飯塚普及指導センターは、露地野菜の生産の安定化を図るため、全国農業システム化研究会事業を活用し、キャベツ栽培における排水対策の実証調査を行う。


 試験区の構成
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 8月4日に、鞍手郡小竹町の(株)川村の実証圃場で、排水対策の実演会が開催された。気温35度の炎天下にも関わらず、県下の普及関係職員、JA、資機材メーカー、農家等約50名が集まった。


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左 :圃場の概要説明を行う飯塚普及指導センターの花田由理子技術主査
右 :(株)川村の川村安司郎取締役による挨拶


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左 :排水対策を考える際には、まず表面排水が重要。10aあたり2カ所の排水口を設置し、額縁明渠を施工。圃場の隅の部分はバックでの溝掘りが可能 benri_movie1.jpg(動画を再生)
右 :パラソイラーでの作業。30~40cmの深さで、土を反転することなく、上下に動かし、土壌を膨軟にする benri_movie1.jpg(動画を再生)


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左 :集水枡から放射状にカットドレーンminiを施工。カットドレーンminiは、従来のカットドレーンよりも馬力の小さい30~60馬力のトラクタで使用が可能(今回は48馬力のトラクタを使用) benri_movie1.jpg(動画を再生)
右 :カットドレーンminiの後にサブソイラ(弾丸暗渠)による作業を行う。施工跡が潰されないよう、サブソイラ(弾丸)はカットドレーンの後に行うbenri_movie1.jpg(動画を再生)


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左 :炎天下にも関わらず熱心に作業を見守る参加者
右 :定点カメラで排水状況の観測を行う


 これから本格的な台風シーズンを迎えるが、定点カメラを設置し、排水状況の観測を行うこととしている。収穫は11月以降の予定で、収量や品質への効果を期待したい。(みんなの農業広場事務局)


(関連情報)
キャベツ機械化栽培体系における排水対策技術の実証(福岡県 平成29年度)