ごぼうの半自動支柱打ち込み実演会の開催(熊本県菊池市)
2017年01月10日
熊本県菊池市、合志市、大津町、菊陽町の2市2町からなる菊池地域は、東北部は阿蘇地域、南部は熊本市、上益城地域と接している。また、「名水百選」に数えられる菊池渓谷から流れる菊池川流域には、豊かな水田地帯が広がっている。
菊池地域では、水稲作後に4~7月収穫の春ごぼうを作付している。この春ごぼうは、肌の白さ、独特の風味と香り、繊維質のきめ細かさ等を有する「水田ごぼう」としてブランドを確立している。
しかしながら、「水田ごぼう」は、トンネル被覆栽培が必要であり、労力の増大により、栽培面積は約100haで頭打ちの状況となっている。
そこで、全国農業システム化研究会事業により、従来の機械化作業体系に加え、これまで手作業で行っていたトンネルの「支柱打ち込み作業」の機械化技術を確立し、大規模露地野菜生産における省力・軽労の実現を図ることとした。
11月7日にロータリートレンチャー(SRL602-06070)で条間70cm、耕深60cmの畝を作り、シーダー播種機にて播種作業を行った。
<区の概要>
品 種:渡辺早生
面 積:鋼管支柱区、ダンポール区(各30a)
播種日:11月7日(鋼管支柱区)、11月8日(ダンポール区)
発芽揃い:11月24日
11月28日には、半自動支柱打ち込み実演会(鋼管支柱区)が行われた。熊本県県北広域本部農業普及・振興課の上村技師による試験区の概要説明の後、(株)藤木農機製作所から支柱打込機(うち丸)の説明と実演が行われた。今回は、より多くの支柱を機械に搭載できるような工夫がされており(試作機)、さらなる省力につながると思われる。
左上 :熊本県県北広域本部農業普及・振興課の上村技師による試験区の説明
右下 :支柱を後ろに積むことにより、圃場内で支柱の補充をする必要がなくなる
打ち込み幅は約1m間隔で、10aを1時間15分程度で行うことができる。手作業の場合、4時間以上かかることから、大幅な作業の省力につながる。また、支柱を地面に刺す作業や束になった支柱の運搬作業は重労働である。さらに、同じ深さで刺しているつもりでも高さが不揃いになり、その後の作業に支障が出る。しかし、「うち丸」では、支柱をセットするだけで自動で正確に刺さるため、省力・軽労化につながっている。
左上 :100mもある圃場では支柱の束を持って移動するだけでも重労働
右下 :一人でも作業は可能だが今回は二人で。その分、作業効率が向上 (動画を再生)
今回の実証調査で機械導入の経営メリットを確立し、地域への普及につなげていきたい。(みんなの農業広場事務局)