傾斜地における土壌流失対策技術の実証調査(青森県深浦町)
2014年08月27日
青森県深浦町艫作(へなし)地区は、大規模で傾斜のある圃場が多く、近年の温暖化の影響から、集中豪雨時の土壌流失が問題となっている。
そこで、集中豪雨等での土壌流失を軽減するため、パラソイラによる排水対策と、圃場内にテラス水路、集水路、草生帯を簡易的に設置して、水のみを排水する技術の有効性について、全国農業システム化研究会で実証調査をおこなってきた。
昨年度実施したニンジン圃場では一定の効果が見られたことから、今年度は課題の残るダイコン畑での対策と、普及を考慮した、より簡易な作業体系を検討している。
今年度最後の作業となった8月19~22日、8月3日に播種されたダイコン圃場(3ha)において、テラス水路の造成、観測機器の設置及び測量をおこなった。
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▼傾斜圃場にテラス水路を設置:傾斜地の土壌流失対策技術の実証(青森県深浦町)
実証圃場近くのニンジン圃場。
左上 :後方の線を描いたように見えるのが土壌流出部分
右下 :流出部分。ニンジンの苗が流されているのがわかる
ぬかるんだ圃場でも、半装軌式トラクタ(パワクロトラクタ)により、難なく作業を実施
溝切り機で明渠をつくり、テラス水路とつなげて水の流れを誘導する
計測機器の設置場所(昨年土のうが積んであった場所。別の角度から2枚撮影)。跡形もなく流出土砂に埋まっている。
この部分の土壌の堆積量についても、別途計測することとなった
雨天で圃場状態が悪い中、半装軌式トラクタ(パワクロトラクタ)の威力が発揮された作業となった。
収穫は10月上中旬。9月下旬には担当者が集まり、今年度の総括を行う予定となっている。(みんなの農業広場事務局)