しっかりとした排水対策で、キャベツの安定生産モデル地区へ!(山形県川西町)
2014年06月20日
山形県置賜総合支庁産業経済部農業技術普及課が管轄する東南置賜地区では、基盤整備を契機に野菜栽培の取り組みが始まり、キャベツを中心とした作付けが拡大している。
しかし、重粘土質の土壌による排水不良や、土壌の乾湿で生育不揃い等が生じ、作柄の不安定が課題となっている。そこで、3年前に基盤整備が行われ、FOEAS(※)が導入された水田転作圃場において、キャベツ生産の安定化及び軽労・省力化を進めるとともに、当地区における栽培モデルを作成するため、全国農業システム化研究会の事業に取り組み、普及拡大をめざす。
※ 地下灌漑・地下水位制御システム(FOEAS/フォアス)
地表~地下の水位を自由にコントロールできる技術で、湿害と干ばつ対策に有効。
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6月10日、東置賜郡川西町にあるファーマーズ高志園の圃場で、排水対策の現地機械実演会が開催され、山形県普及関係組織、JA、生産者、メーカー関係者等約50名の参加者が集まった。
左上 :システム化実証調査の概要を説明する置賜総合支庁産業経済部農業技術普及課の中川隆彰主任専門普及指導員
右下 :なかなか見ることのできない機械の実演会に続々と参加者が集まった
宮城県の古川試験場で開発された「モミタス」は、もみ殻の腐植化により空洞化しつつある本暗渠疎水材部に牽引作業のみで、もみ殻を低コストでシンプルに充填できるほか、暗渠溝の開削、暗渠管の布設も同時に行える優れもの。
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また、慣行区のサブソイラに優る排水対策を実証するために、ハーフソイラを活用し、検討を行う。
左上 :重粘土質土壌に効果的なハーフソイラ
右下 :ハーフソイラの説明に耳を傾ける参加者
左上 :ハーフソイラ実演作業 / 右下 :排水効果が期待される実証圃場
7月に耕耘うね立て同時施肥施薬による移植作業、10月に後部フォークリフターによる収穫・搬出を行い、省力化をめざしながら、実証調査を行っていく予定だ。(みんなの農業広場)