飼料作物生産におけるカットドレーンによる水田排水対策現地研修会が開催される(島根県船津町)
2016年06月30日
島根県内の水田利用飼料作物は、水稲に次ぐ面積で栽培されているが、飼料作物の多くは湿害に弱く、排水不良による収量低下が問題となっている。明渠排水はおこなっていても、暗渠排水については、施工費用がかかることから対策をおこなってこなかった水田も多い。
そこで、島根県東部農林振興センター出雲事務所農業普及部は今年度、全国農業システム化研究会事業を活用し、新しい穿孔暗渠機(カットドレーン)の使用による排水対策を実施した圃場と未実施の圃場で飼料作物の生育状況を比較するとともに、経済性を確認することとなった。実施面積は0.8haで、供試品種はヘイスーダン。
平成28年6月16日、島根県船津町の船津営農組合の実証圃場で、島根県関係機関、資機材メーカー、報道関係者、生産者等約30名が集まり、カットドレーンによる水田排水対策現地研修会が開催された。
島根県農業技術センター技術普及部の渡邊和正部長(左)による挨拶と、長妻武宏農業革新支援専門員による説明
研修会では、以下の3工程の実演をおこなった。
①圃場周囲に溝掘機による額縁明渠を施工
②集水枡から放射状にカットドレーンで暗渠を施工
③サブソイラによる弾丸暗渠を施工
左上 :研修会のため、埋めずにおいた集水枡から放射状にカットドレーンで施工
右下 :集水枡。河川近くの砂土圃場のため、一部が崩れている
「今回の実証は穿孔暗渠機(カットドレーン)の効果についての調査だが、排水対策においては、表面排水(明渠)も重要であることを理解しておく必要がある」と、株式会社クボタの寺井技術顧問。
排水不良は飼料作物の生育のみならず、収穫時の機械作業にも与える影響が大きい。また、「今回のように、新しい機械の作業を見ることができる研修会は貴重」と、作業を興味深く見守る関係者の姿が印象的で、本実証調査への期待の大きさを感じた。
今後は6月下旬に播種、7月下旬に一度目の収穫をおこない、追肥の後、9月上旬に2度目の収穫が(※)予定されている(収穫はロールベールを使用)。(みんなの農業広場事務局)
※ 再生力に優れるヘイスーダンは、早まきすれば3度刈りまで可能とされている。今回の実証での収穫は2度の予定。