GNSSを活用した大豆の精密播種実演会を開催(秋田県大館市)
2019年07月02日
スマート農業に注目が集まる昨今、GNSS(※1)を搭載した自動操舵トラクタは、北海道を中心に急速に普及がはじまっている。秋田県北秋田地域振興局農林部農業振興普及課では、全国農業システム化研究会実証調査事業により、GNSSの活用による大豆の雑草防除体系の確立を目指した実証に取り組んでいる。
これまで大豆栽培では、播種時の畝間隔の不均一や畝の蛇行等により、中耕培土の精度が低くなり、雑草発生要因となっていた。雑草の発生により、余計な除草剤散布や手取り除草などの発生や、収量・品質低下を招く事例が散見されていた。
そこで、GNSSを搭載した自動操舵トラクタによる精密播種とGNSSを搭載した管理機によるディスク式高精度培土による、雑草防除体系を実証し、その導入効果を検証する。
6月18日に大館市立花の現地実証圃において、播種作業の実演会が開催された。
左 :クボタパワクロトラクタSL54+ニプロアッパーローター+ヤザキクリーンシーダーで播種。トプコンの自動操舵システムを搭載している
右 :自動操舵システムとして、キャビン内にはコンソールと電動ハンドルが取り付けられる
左 :実証調査内容を説明する北秋田地域振興局農林部農業振興普及課の片野主幹
右 :多くの参加者が次世代のスマート農業機械に注目した
左 :高い精度が求められる播種作業ではRTK(※2)による補正情報が必要となるが、今回は導入コストの安いネットワーク型RTKにより誤差2~3cmの精度を実現した。白い通信モデムが補正情報を受信する。キャビン上部に取り付けられている装置がGNSS受信機
右 :自動操舵システムにより、手放しでもまっすぐに播種作業ができた
左 :供試品種はリュウホウ、畝幅75cm×株間20cm×2粒播きで播種された
右 :間接耕での作業も実演し直進性能を分かりやすく紹介した
農家や普及指導員も試乗。県内の若手普及指導員でも熟練オペレータ並の精度で作業できた
播種作業は計画通りに実施され、今後は7月下旬に中耕培土作業を行い、生育や雑草発生状況などの調査を行う予定だ。(みんなの農業広場事務局)
※1 GNSS(Global Navigation Satellite System)とは、全球測位衛星システムの略称で、GPS、GLONASS、Galileo、準天頂衛星等の衛星測位システムの総称
※2 RTK(Real Time Kinematic)とは、基準局などからの補正情報によって、測位精度を高める技術のこと