万能散布バーによる大豆の除草剤散布実演会の開催(滋賀県東近江市)
2016年08月31日
滋賀県東近江市にある東近江農業農村振興事務所では、今年度から、全国農業システム化研究会事業により、水田における土地利用型作物の生産効率向上に関する実証調査を行っている。
滋賀県の大豆作付面積は全国6位(平成27年度)であるが、品質や収量が安定せず、県の重点課題にも取り上げられている。要因としては、気候や地力の他に、難防除雑草が影響していると考えられる。
そこで、難防除雑草に対して、ビークルとつりさげノズル(万能散布バー)を用いた除草剤散布による防除効果を確認し、さらに収穫前の雑草抜取り作業の省力化の普及提案を行うこととした。
7月4日には一発耕起播種機(トリプルエコロジー)で狭畝による密播作業を行った。
そのちょうど1ヵ月後の8月4日、滋賀県普及関係機関、JA関係者、資機材メーカー、生産者等、約60名が見守る中、万能散布バーを装着したハイクリブームによるバスタ液剤の畝間・株間処理の実演会が行われた。
耕起前処理としてラウンドアップマックスロードの散布を行っており、実証区2および慣行区に比べ実証区1は、雑草発生程度が抑えられていた。
7月4日にトリプルエコロジーによる耕起、砕土、播種、薬剤散布(クリアターン細粒剤F)を同時に作業
試験設計表
・前作 :小麦(農林61号)
・大豆品種 :ことゆたか
左上 :非選択性茎葉処理剤であるバスタ液剤は散布後の除草効果の発現が速く、持続期間が長いことが特長
右下 :試験圃場の概要を説明する東近江農業農村振興事務所農産普及課の土井寿美氏
実証圃場は狭畝のうえ、6~7葉期まで生育が進んで、茎葉が繁茂していた。バスタ液剤は非選択性の茎葉処理剤のため、液剤が大豆本葉にかからないよう、散布作業は慎重に行われた。
初めはタイヤで大豆を踏み倒す場面も見られたが、操作に慣れてくると畝間を上手に通っていく事ができた。操作性と作業効率を考えると、大豆が5~6葉期になるタイミングを逃さないことが重要である。
バスタ液剤処理の効果は数日後には現れるため、こまめに圃場の観察を行い、生育を見守っていく予定だ。(みんなの農業広場事務局)