提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


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大豆・麦




大豆小畝立て深層施肥播種実演会を開催(山形県酒田市)

2013年06月07日

 山形県北西部に位置する庄内平野の北側、山形県唯一の港湾都市である酒田市の大豆は、水田農業の基幹作物として位置づけられている。中でも広野地区は、市内で最も大豆作付面積が大きい。近年、収量・品質の低迷が続いているものの、現状を打開するための取り組みに意欲的である。

 収量・品質の低迷の原因としては、①連作による地力低下、②雑草害、③湿害があげられており、大豆生産者の所得向上を図るためには、収量・品質の向上が喫緊の課題である。


 そこで、今年度、全国農業システム化研究会の実証調査事業として技術実証を行い、大豆の収量・品質の向上と、気象変動に対応した安定生産を目指す。

 実証調査を行う試験圃場の設計概要は、以下のとおり。


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 品種は、倒伏に強い「里のほほえみ」で、栽植密度は条間75cm、株間22cmの11000本/㎡に設定した。実証圃は、平成6年から20年近く連作状態となっているため、苦土石灰による土壌改良を播種前に実施した。


 5月29日には、山形県普及関係機関、農業資機材メーカー、JA、生産者等、約30人の参加者が見守る中、小畝立て深層施肥技術の実演会が行われた。


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 :庄内総合支庁酒田農業技術普及課 地域第二担当 上野清氏による試験内容の説明
 :小畝立て深層施肥播種技術の説明を聞く参加者


 山形県では、平成19年から、初期の湿害を軽減する小畝立て播種技術と、根粒菌の活動を阻害せずに、効率的な窒素供給ができる深層施肥技術を組み合わせた、小畝立て深層施肥播種技術の研究を続けている。今回、深層施肥する深さを地表15~18cmあたりに定めて実演を行ったところ、設定した位置にきちんと施肥されていた。


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 :小畝立て深層施肥播種の様子
 :里のほほえみは大粒のため、穴の大きい16穴目皿


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 :畝を掘り起こして、施肥の状態を確かめる
 :畝立て後の状態を見ながら、質問する参加者


 今後は、除草剤散布や病害虫防除等の中間管理を行い、実証圃収量300kg/10aを目指す。これからの小畝立て深層施肥技術の普及拡大が期待される。(みんなの農業広場事務局)