提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


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稲作




ドローン直播作業が行われました(茨城県坂東市)

2024年05月28日

 茨城県では、水田農業の担い手経営体が規模拡大傾向にある中、効率性の高い水稲生産の実践が課題となっている。
 

 そこで、茨城県坂東地域農業改良指導センターでは、令和6年度に全国農業システム化研究会事業を活用し、「ドローン直播による低コスト生産技術」をテーマに、実証調査を行うこととした。


実証の概要は以下の通り。
①ドローン直播と移植栽培の作業時間比較によるドローン直播の省力効果の実証
②ドローン直播と移植栽培の水稲の生育、収量の比較
③ドローン直播栽培導入による経営メリット、収益性の試算及び地域への導入に向けたマニュアルの作成


実証区及び慣行区の概要は以下の通り
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 また、目標は実証区・慣行区ともに地域単収+150kg(約660kg)としている。


 5月17日には、茨城県坂東市の実証ほ場でドローン播種作業が行われた(当初は5月20日を予定していたが、天候によるドローン飛行への影響などから5月17日へ変更)。当日は天候に恵まれ、県普及関係職員、JA、機械メーカー、生産者等、約20名が集まった。


 初めに茨城県坂東地域農業改良普及センターの四宮普及指導員による実証内容の説明、クボタアグリサービス株式会社の担当者から機械の説明があった後、作業が始まった。
 ドローンによる播種作業は高度3.5m、散布幅6m、速度15~20km/hで行われ、種籾の補充や電池交換を2回要したものの、40aのほ場を約40分で終わらせた。


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左 :茨城県坂東地域農業改良普及センターの四宮普及指導員による実証説明
右 :クボタアグリサービス株式会社による機械の説明


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ドローン操作のリモコン画面


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代かき後水深7~8cmに保たれたほ場に播種を行った。


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播種作業の様子


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ドローン(クボタT25K)と供試品種の「夢あおば」(「りもみん」による鉄コーティング済み)


 また、播種作業後には、同じドローンによる初期除草剤(マスラオ1kg粒剤)散布も行われた。除草剤散布は40aのほ場を約20分で終わらせるなど、作業効率の高さをうかがい知ることができた。


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除草剤散布の様子。従来機の1.4倍の吐出量を実現し、粒剤散布の効率化を図ることができる。


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播種後のほ場


 今後は雑草・病害虫防除についても同じドローンによる散布を行っていく(除草剤:カウンシルエナジー1kg粒剤を6月頃、レブラスエアー粒剤を7月頃)。その後移植栽培と比較してドローン直播の経営メリット等を評価していく予定だ。(みんなの農業広場事務局)