無人ロボット田植機と有人田植機による協調作業の田植えを実施(秋田県北秋田市)
2023年06月14日
秋田県は農業従事者の高齢化や就農人口の減少により、担い手の農地集積による経営面積が拡大する一方、担い手自体の人員が不足しており、適期作業が難しくなっている。また、中山間地域は中規模区画ほ場が多く、作業の効率化も困難となっている。
そのような中、秋田県北秋田地域振興局では前年度、全国農業システム化研究会事業で無人ロボット田植機による省力効果の実証調査に取り組み、無人ロボット田植機の有用性が得られた。
▼【秋田県】スマート農業技術による稲作経営の確立に関する実証調査(令和4年度全国農業システム化研究会実証調査)
▼中山間におけるアグリロボ田植機(無人仕様)の省力効果を検討(秋田県北秋田市)
そこで今年度は、無人ロボット田植機と有人田植機の協調作業(同時作業)を行い、さらなる作業の効率化と省人化を目指す実証試験に取り組む。また、令和3年度に国で策定された「みどりの食料システム戦略」を踏まえ、自動操舵システム導入による作業効率に伴う燃料の消費量についても調査することとした。
5月10日、株式会社みそらファームの実証ほ場で2台同時田植え作業を行った。その他に参考区として有人田植機区のみのほ場と無人ロボット田植機区のみのほ場も準備し比較を行った。
各区の概要は以下の通りである。
作業前に関係者で綿密な打ち合わせ
右から、秋田県農林水産部水田総合利用課 沼澤主幹、北秋田地域振興局農林部農業振興普及課 野村技師。左端は株式会社みそらファーム代表の若松氏
2台での協調作業の様子(実証区) ※右画像下画像:秋田県提供
(クリックで動画再生)
(クリックで動画再生)※秋田県提供
燃料の調査は以下の通り行った。
①田植機と軽油缶を満杯にして、軽油缶の重さを量る。
②作業終了後、軽油缶から田植機へ燃料を満杯まで入れる。
③再度軽油缶の重さを量り、減った分を使用量とする。
今後は、生育ステージ(出穂期・成熟期)と収量調査をドローンによるリモートセンシング(幼形期頃)で確認しながら、得られたデータを分析し、効率面や経営評価、規模拡大の可能性を検討していく予定だ。(みんなの農業広場)