提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


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稲作




WCS用イネ鉄コーティング種子直播現地研修会の開催(島根県出雲市)

2013年05月17日

 近年の飼料穀物価格の高騰は、畜産経営に深刻な影響を与えている。水稲農家と畜産農家の連携によるWCS用イネ等の水田飼料作物の定着化の推進と、地域の実情に応じた自給飼料生産システムの確立は、今後不可欠である。
 島根県東部農林振興センター出雲事務所では、耕畜連携の推進による、WCS用イネの生産拡大に向け、省力・低コスト生産技術として注目されている、鉄コーティング点播直播栽培技術の実証調査(全国農業システム化研究会)に取り組んでいる。


 天候に恵まれた5月9日、島根県出雲市佐田町の農事組合法人 橋波アグリサンシャインの圃場で、島根県農業技術センター技術普及部主催による、WCS用イネ鉄コーティング種子直播現地研修会が開催された。研修会には県内の普及関係機関、市町村、生産者等50名程が参加した。


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現地研修会の様子


 当日は、島根県農業技術センター畜産技術普及課 土井 隆司課長による鉄コーティング点播直播栽培の説明、クボタアグリサービス(株)担当者からの機械の説明のあと、直播作業の実演を行った。


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 :島根県農業技術センター畜産技術普及課 土井氏による説明
 :機械の説明


 今回の鉄コーティング点播直播で使用する播種機(クボタCS-30FE)は試作段階だが、従来の多目的田植機とは異なり、直播専用播種機となる。直播に必要となる最小限の機能しか搭載されていないため、リーズナブルな価格設定になる予定だ。また、コーティング籾が排出されるロート部分が地表に近いため、播種時に散らばりにくく、高速で高精度な播種が可能になる。実証圃場32aを1時間足らずで播き終わり、参加者は、その速さを実感した。


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 :播種の様子
 :興味深く見学する参加者


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 :直播専用播種機による直播作業
 :散らばらずしっかり落ちている

 除草剤は、サンバード粒剤を播種と同時に散布して、省力化を図っている。圃場内に一部ヒエが発生しているため、今後クリンチャー1キロ粒剤を散布し、雑草防除を徹底、収量の確保を目指す。(みんなの農業広場事務局)