提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


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稲作




「飼料用米直播栽培研修会」を開催(宮崎県南郷町・日南市)

2008年04月30日

 畜産飼料価格の高騰により、国産自給飼料への期待が高まっている。
 全国農業システム化研究会では、今年度、宮崎県南那珂農業改良普及センター管内で、飼料米の省力低コスト栽培および調製の技術確立に取り組む。


 去る4月24~25日、「平成20年度全国農業システム化研究会飼料用米直播栽培研修会」が、宮崎県南那珂農業改良普及センター(24日・研修会)と日南市(25日・現地実演会)でおこなわれ、関係者約100名が参加した。

 
 日本有数の畜産県である宮崎県では、品質の良い飼料米を省力・低コストで栽培することが課題となっている。20年度は、県内全域で65haの栽培が計画されているが、南那珂普及センター管内が、うち57haを占めている。


 今回、東郷土地改良区生産組合(日南市)が取り組む直播栽培は、以下の通り。

1)水田直播(カルパー・鉄コーティング各30a/多目的田植機による播種作業)
2)乾田直播(30a/バーチカルハローシーダによる播種作業)
3)無人ヘリによる播種(カルパー 10a)


 飼料米の品種は「ほしあおば」。
 浸漬し水分を切った「ほしあおば」に、コーティング機でコーティング(鉄とカルパー:24日実施)したものを使用した。


鉄コーティング作業  鉄コーティング種子


カルパーコーティング作業  カルパーコーティング種子


 1)の水田直播では、多目的田植機により、田植えと同時に施肥もおこなった。播種量は、カルパー、鉄ともに3kg/10aで、播種30aに要した時間はそれぞれ約30分。

 カルパーは、播種と同時に覆土板で埋め込むため種子はみえないが、鉄コーティングは、播種された種子を見ることができる。


実証作業看板  カルパー播種作業


鉄コーティング播種作業  鉄コーティング種子


 「休耕田を利用して飼料ワラをつくったことはあるが、飼料米に取り組むのは初めて。組合員の関心も高い。」と、生産者。

 また、宮崎県農政水産部営農支援課の小森盛三広域指導担当は「配合飼料の高騰で、畜産経営はたいへん厳しい状況だ。低コスト・省力な栽培と調製技術の確立をめざしている」と話した。(みんなの農業広場事務局)


無人ヘリによる播種   散布されたカルパー種子

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