(農畜産業振興機構)「野菜情報」最新号12月号をホームページに掲載
2024年11月26日
(独)農畜産業振興機構は、「野菜情報」最新号12月号をホームページに掲載。
《記事の一例》
●話題
○ 「積極的な気分の維持」に役立つ!~ケルセチンを関与成分とするたまねぎの機能性表示食品の開発~
(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所 食品保健機能研究センター センター長 小堀真珠子)
たまねぎはポリフェノール類のうちフラボノイドのケルセチンを多く含みます。筆者らはこれまでに、加齢による認知機能の低下やうつと食生活との関連性に着目し、ケルセチン高含有たまねぎが健康な高齢者の認知機能および脳機能検査の点数を改善することを示して、「積極的な気分を維持するのに役立つ機能」を表示する生鮮たまねぎの機能性表示食品の届出を行い、全国販売を実現しました。
●需給動向
○ 東京都・大阪市中央卸売市場の需給動向(令和6年10月)(野菜振興部・調査情報部)
○ 野菜の輸入動向(令和6年9月)(野菜振興部)
●今月の野菜
○ 『さといも』(調査情報部)
さといもは、サトイモ科の熱帯性多年草で、東南アジアや太平洋諸国ではタロと呼ばれ、日本には稲よりも早く、縄文時代に渡来しました。子いも、孫いもとたくさんのいもができることから、子孫繁栄の縁起物として正月料理などに用いられるなど、日本の文化に深く根差した野菜と言えます。主成分はでんぷん質ですが、水分が多くいも類の中では低エネルギーで、塩分排出に効果的なカリウム、水溶性食物繊維を多く含みます。ぬめり成分は、水溶性食物繊維のガラクタンで、免疫系に働きかけ、がん予防や感染症予防に効果があるといわれています。
●産地紹介
○ 愛媛県 JAおちいまばり~しまなみ彩野菜(伊予美人<さといも>)の取り組みについて~
(越智今治農業協同組合 営農振興部 営農指導課 西部純一)
愛媛県の北東部、瀬戸内海に面した今治市などを管轄するJAおちいまばり。さといも栽培は、水田を活用し水稲や麦との輪作を行っています。当JAでは、機械化支援、派遣労働者研修事業、「愛媛さといも広域選果場」の開設などさまざまな取り組みを行った結果、この10年間で作付面積・生産量・販売高が飛躍的に増加し、愛媛県オリジナル品種をブランド化した「伊予美人」の市場からの評価も高まり、取引価格も安定しました。柔らかく、濃厚な甘みを持ち、白くきめ細かな食感の「伊予美人」をご賞味ください。
●調査・報告
○ 木質バイオマス発電と次世代型施設園芸を組み合わせた地域密着型農業クラスターの取り組み
(国立大学法人 高知大学 農林海洋科学部 農林資源科学科 准教授 宮内樹代史)
高知県本山町の「エフビットファームこうち」では、木質バイオマス発電所の廃熱や廃ガスを、隣接する次世代型園芸施設で再利用(暖房や、作物の光合成を促進するCO2施用に利用)し、年間240トンのパプリカを養液栽培で生産しています。使用燃料は豊富な森林資源(間伐材)を利用した木質チップが中心で、エネルギーコスト削減や環境負荷低減を実現するとともに、地域の林業、雇用の創出、農業振興に寄与し、地域の農業クラスターの核にもなっています。
○ 物流生産性向上に向けた取り組み事例について
(農林水産省 大臣官房新事業・食品産業部 食品流通課)
農林水産省において、令和6年5月と10月に開催された「農林水産品・食品の物流に関する官民合同タスクフォース(第2回・第3回)」において報告された、物流改善に向けた産地や卸売市場の取り組みについて紹介します。
●海外情報
○ 中国におけるばれいしょの需給分析と見通し
(中国農業大学農業管理学院 教授 陳永福、博士課程 崔悦)
中国のばれいしょは、生産量・作付面積ともに世界第1位ですが、単収は世界平均を下回っています。2018年以降、中国のばれいしょ自給率はほぼ100%を達成していますが、今後も安定して高い自給率を維持するためには、生産技術の向上などにより世界平均を超える単収と新たな産地形成が求められます。本稿では、中国国内の生産動向、コスト分析、消費動向、輸出入量の推移などについて、報告します。
●機構から
○ 野菜ブック~野菜の魅力を品目ごとに紹介(しゅんぎく)(野菜業務部)
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