(農畜産業振興機構)「野菜情報」最新号8月号をホームページに掲載
2024年07月26日
(独)農畜産業振興機構は、「野菜情報」最新号8月号をホームページに掲載。
《記事の一例》
●特集 「国産冷凍野菜」の拡大に向けて
○ 国産野菜シェア奪還プロジェクトのご紹介
(農林水産省 農産局 園芸作物課 園芸流通加工対策室 課長補佐 坂東樹)
農林水産省では、食料安全保障の観点から、加工・業務用を中心とした野菜の国産シェア拡大に取り組んでいます。ここでは、加工・業務用野菜(冷凍野菜を含む)を巡る情勢や国産野菜活用に向けた課題、本年4月にスタートさせた「国産野菜シェア奪還プロジェクト」ついてご紹介します。
○ 冷凍野菜の魅力と国産冷凍野菜に期待すること
(冷凍食品ジャーナリスト 「冷凍食品エフエフプレス」取締役編集長 山本純子)
冷凍野菜を利用するメリット、輸入冷凍野菜の動向、最近のトレンド、国産冷凍野菜を巡る動向、その需要の高まりについて、報告します。生産者と加工・販売業者との連携、小売業の理解、ECの活用などが結びつくと、新しいサプライチェーンが構築でき、日本の農業の復興に役立つ事業展開に結び付くことに期待がかかります。一方で、光熱費の高騰や流通経費の増大などにより、保管・流通に掛かるコストは今後も高くなることが予想され、うまくマネジメントをしていく知恵が求められます。
○ 「地産地工」の強みを生かし、熊本県産冷凍ほうれんそうを生産~熊本大同フーズ株式会社~
(熊本大同フーズ株式会社 常務取締役 白石芳久)
同社は、青果卸売市場の熊本大同青果株式会社と冷凍食品卸会社ノースイとの合弁会社で、2021年から冷凍野菜の生産を開始しました。冷凍ほうれんそうを主力とし、原料野菜の99%が熊本県産で、原料野菜の生産から製造、物流、販売までの一貫生産体制をとっています。ここでは野菜の生産現場、自社工場、物流における独自の工夫、販路についてご紹介します。
○ これからの冷凍野菜~「国産冷凍野菜」の拡大に向けて~
(国立大学法人 弘前大学 農学生命科学部 食料資源学科 食品科学コース 准教授 君塚道史)
国産冷凍野菜の拡大には、これまで当たり前に行ってきた冷凍方法、冷凍前の加熱処理(ブランチング処理)、解凍方法についても、固定観念を払拭し、改めて考え直す必要があると思われます。素材野菜の鮮度管理、ブランチング処理の必要性の検討と処理方法、凍結速度、保存温度、解凍条件などについて、野菜の特性や用途に応じた方法を選択、または開発することにより、冷凍野菜の品質を高め、新たな価値を付与することが可能になると思われます。
●需給動向
○ 東京都・大阪市中央卸売市場の需給動向(令和6年6月)(野菜振興部・調査情報部)
○ 野菜の輸入動向(令和6年5月)(野菜振興部)
●今月の野菜
○ 『にがうり』(調査情報部)
にがうりは熱帯アジア地域原産とみられ、中国やインドでは古くから薬用植物として重宝されていたほど、栄養価の高い野菜です。沖縄では中国との交易を通じて早くから栽培が盛んでしたが、1990年代に沖縄の野菜が県外に出荷されるようになり、全国に普及しました。苦味成分の「モモルデシン」は、肝機能を高め、血糖値の降下に効果があり、また胃液の分泌を促して食欲を増進させるため、夏バテ予防の効果が期待できます。ビタミンCの含有量も多く、加熱しても壊れにくいのが特徴です。
●産地紹介
○ 群馬県JA邑楽館林~猛暑に負けないにがうり栽培~
(邑楽館林農業協同組合 園芸部 園芸指導課 玉岡竜吾)
当JAは、群馬県の南東部に位置し、夏は日本随一の高温になるため、にがうりの栽培に適しています。露地とハウス栽培があり、6~9月は群馬県全体で共計販売を行い、スケールメリットを生かして、市場での優位性を維持しています。猛暑が続く夏こそ、暑い土地でたくましく育った当管内のにがうりを食べて、元気に過ごしましょう!
●調査・報告
○ ボランティア・ボラバイトで労働ピーク時の労働力確保と交流人口拡大を進める飛騨古川池田農園
(国立大学法人 名古屋大学大学院 生命農学研究科 教授 徳田博美)
岐阜県北部の中山間地で「『楽しい』が農村を救う」を経営理念として、地域の交流人口(その地域に訪れる、または交流する人数)の拡大を目指している池田農園。多様な者を受け入れることで、必要な労働力を確保しています。地域内外のボランティア・ボラバイト(注)は、総労働時間に占める割合は小さいですが、労働ピーク時を切り抜けるための貴重な労働力となっています。また、交流人口の拡大にとっても、その入り口となっています。
注:「ボランティア」と「アルバイト」を合わせた造語。
○ 野菜価格安定制度について
(農林水産省 農産局 園芸作物課 価格班)
野菜価格安定制度は昭和41年の制度創設から今日まで、野菜生産者の経営安定を通じて、消費地への野菜の安定供給と価格の安定を図ってきました。半世紀以上が経過した今、改めて、野菜価格安定制度の概要とその役割の重要性について紹介します。
●海外情報
○ 中国産野菜の生産と消費および輸出の動向(キャベツ)
(調査情報部)
日本の生鮮キャベツの国内供給量は99%以上を国内産が占めており、残り1%弱の輸入品のうち、9割以上を中国産が占めています。主に日本の供給量が減少する時期に輸入されますが、加工用途などでは一定の需要が存在します。中国のキャベツ生産は比較的安定しているものの、借地料や人件費などの上昇を背景に栽培コストは上昇傾向で推移しており、今後卸売価格の上昇も見込まれるため、中国産キャベツの需給動向に注目する必要があります。
●機構から
○ 令和6年度契約野菜収入確保モデル事業の事業者を募集します(野菜振興部)
○ 野菜ブック~野菜の魅力を品目ごとに紹介(えだまめ)(野菜業務部)
○ 国産やさいの生産者と実需者を結ぶマッチングサイト"ベジマチ"(野菜振興部)
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