米に関するマンスリーレポート(令和2年5月号)の公表について
2020年05月14日
農林水産省は、米に関する価格動向や需給動向に関するデータを集約・整理した「米に関するマンスリーレポート(令和2年5月号)」について取りまとめた。
●令和2年3月末の出荷及び販売段階における民間在庫は、対前年同月比+7万tの234万t。また、流通段階別でみると出荷段階で対前年比+2万t、販売段階で+5万tとなっている。
●出荷段階の対前年比+2万tについては、元年産の主食用の生産量が726万tと30年産と比較として約7万t減少しているものの、作況の良かった東日本主産県において集荷が前年よりも進んだことによるものと考えられる。
●販売段階の対前年比+5万tについては、新型コロナウイルスにより、外出自粛要請等を受けて量販店等での需要が急激に拡大することを見据えて円滑に供給できる対応をとったことによるものと考えられる。
●近年、主食用米では事前契約(複数年契約)の取組は、30年産で143万t、取扱数量に対する事前契約比率は50%と年々増加しているが、元年産は令和2年3月末時点で143万t、事前契約比率は対前年産+1%の51%と横ばい
の状況。事前契約の契約時期については、単年の契約の場合、豊凶等による数量・価格変動のリスクがあるため、播種前ではなく、収穫前・直前の8月以降の契約が増加傾向。
●事前契約における価格取決比率について、元年産は令和2年3月末時点で契約数量の83%(対前年産▲1%)、前年6月末時点では12%となっている。収穫前の時期では、価格まで決定している契約は少なく、複数年契約においても数量のみの契約が大宗。
●令和2年産の3月末現在の事前契約数量は前年▲10.3万tの68万tとなっている。元年産の荷動きが鈍い中、契約のスピードは進んでいない状況。
●令和元産米の令和2年3月の相対取引価格は、全銘柄平均で15,749円/60kgとなり、前月より▲24円、出回りからの年産平均価格は前年産+61円の15,749円/60kg。前年産よりは高い価格を維持しているが、スポット価格は全体的に下がり気味の傾向。
●米穀機構の米取引関係者の判断に関する調査(令和2年3月分)によると、主食用米の需給動向の現状判断は対前月比▲8ポイント、見通し(向こう3ヶ月)判断は▲7ポイント。米価水準の現状判断は対前月比 ▲2ポイント、見通し(向こう3ヶ月)判断は▲5ポイント。
●米穀機構が公表している「米の消費動向調査」(令和2年2月分)によると、1人1カ月当たりの精米消費量は、前年同月比+4.5%。このうち、家庭内での消費量は前年同月比+1.6%、中食・外食では+11.6%。
●令和2年2月の家庭内の月末在庫数量は、6.3kgとなっている。また、令和元年度の平均数量は6.3kg、前年との比較では▲3.1%となっている。
●総務省が公表している家計調査によると、令和2年2月の米の購入数量は、対前年同月比+0.9%の4.6kg、パンは+9.7%の3.8kg、めん類は+9.5%の2.8kg。
●総務省が公表している消費者物価指数によると、令和2年3月の米類の指数は対前年同月比+0.9%の114.9ポイント
●総務省が公表している小売物価統計によると、令和2年4月のうるち米の小売価格(5kg当たり)は、コシヒカリで対前年同月比▲1.5%の2,407円。コシヒカリ以外の銘柄の平均では、対前年同月比+0.5%の2,241円。
●令和2年3月の小売価格(POSデータ)の平均価格(5kg当たり)は、対前月比+15円(+0.7%)、対前年同月比+56円(+2.7%)の2,080円。
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