スマート農業技術の開発・実証プロジェクト現地研修会を開催 「SDGs未来杜市・真庭スマート農業オープンラボ」
2019年08月19日
7月30日、「SDGs未来杜市・真庭スマート農業オープンラボ」は、農業者・関係機関等に広く情報発信し、事業の理解を深めることを目的に室内研修会及び現地研修会を開催、約280名という多くの参加者が集まった。
室内研修会では、まず挨拶として、代表機関の岡山県農林水産総合センターの吉川センター長から事業の趣旨が、また実証生産者である農事持組合法人寄江原の矢萩代表理事からは寄江原地域の由来、また、実証事業へ寄せられる期待を語った。
つづいて、真庭市産業観光部農業振興課の中島主幹による「真庭スマート農業オープンラボの概要」と題した講演では、事業推進による中山間地の水田作の課題解決と市内農地に人が集まる仕組みづくりの紹介が、また、真庭農業普及指導センターの西川副参事からは、プロジェクトの実証課題と内容(以下表参照)についての説明があった。
(実証項目別計画―普及指導センター資料)
真庭農業普及指導センター西川副参事から「実証課題と内容について」
最後に、農研機構農業革新工学研究センターの吉田革新工学研究監から、「スマート農業の今とこれから」と題して、今までの研究開発の経過と実用化に至るまでの状況、今後の展望(※)について講演が行われ、真庭市で取り組まれているスマート農業の現状整理と今後について提案があった。
※ 自動水管理システムの現状と広域配水管理の自動化、中山間地での展開の具体例、収量・生育情報の積極的活用、メッシュ農業気象データの構築・活用、栽培管理支援情報活用、農業データ連携基盤構築、農作業機械+営農情報の実用化、ドローン、ロボット・自動化農業機械の高度化とその方向等
農研機構農業革新工学研究センターの吉田革新工学研究監から「スマート農業の今とこれから」
15時からは農事組合法人 寄江原の実証圃場で、以下の実演が行われた。
・水管理システム「WATARAS」((株)クボタ)
・ドローン操作実演((株)クボタ)
・ラジコン草刈り機(寄江原農事組合法人)
左 :水管理システム「WATARAS」((株)クボタ)
右 :ドローン操作実演((株)クボタ)
左 :ドローンによるセンシング(岡山大学)
右 :ラジコン草刈り機(寄江原農事組合法人難波副代表理事)
<生産者紹介>
農事組合法人寄江原は地域の稲作をいち早く集落営農として組織化(14年)を図り、構造改善事業(17年)等の実施により地区の牽引役として水田を守ってきた。現在組合員73名、7.6ha(水稲3.1ha、小麦3.1ha、WCS2.2ha)、作業受託9.3haの経営である。
専属2名のオペレーターの他、地区住民が出役して作業に従事している。
地区の水田はA地区、比較的平坦な圃場(整備された20a~30a)とB地区、小区画不整形の傾斜圃場の2地区から構成されている。この圃場条件をスマート農業の実証プロジェクトによりA区「稼ぐ圃場」、B区「守る圃場」として位置づけ実証する。
組合では今後、地域の特徴を活かした組合員が活躍できる新たな新品目導入も検討中である。
※本実証課題は、農林水産省「スマート農業技術の開発・実証プロジェクト(課題番号:中G08、課題名:集落営農法人による持続可能な中山間地地域営農体系の実証、事業主体:国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構)」の支援により実施されました。
関連情報
▼スマート農業技術の開発・実証プロジェクト第1回推進会議(岡山県真庭市)
▼SDGs未来杜市真庭スマート農業オープンラボお披露目会の開催 (岡山県真庭市)