スピロヘータは実は有用微生物だった! タカサゴシロアリ腸内で木材の消化をアシスト!
2018年11月30日
琉球大学、農研機構、山口大学は、沖縄県八重山諸島に分布するタカサゴシロアリの腸内において、餌の木片に大量に付着したトレポネーマ属のスピロヘータがキシラナーゼと呼ばれる消化酵素を生産し、木材に含まれるヘミセルロースの主要成分であるキシラン分解に主要な役割を果たしていることを初めて明らかにした。
キシラナーゼの標的であるキシランは食物繊維として穀物や草にも含まれているが、一般に動物自身はこれを分解する消化酵素を作ることができない。
そのため、ヒトや草食動物の腸内にもキシラナーゼを生産する細菌群が共生しているが、これらはスピロヘータとは全く異なる種類の細菌であることが知られている。今回の研究成果は、脊椎動物と昆虫という系統的に大きく離れた動物の腸内で、共通の機能を持つ細菌が独立に進化しうることを示しており、腸内細菌の進化や共生の仕組みを理解する上で重要な知見となる。
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