平成27年度 鳥獣被害対策優良活動表彰・第3回 全国鳥獣被害対策サミット開催される
2016年02月24日
2月12日(金)に平成27年度 鳥獣被害対策優良活動表彰式と受賞者による講演が日比谷図書文化館(東京都千代田区)コンベンションホールで行われた。農林水産大臣賞と農林水産省農村振興局長賞が団体4、個人1に授与された。
平成27年度 鳥獣被害対策優良活動表彰結果
農林水産大臣賞(団体の部) :松尾集落(熊本県)
農村振興局長賞(団体の部) :(一社)阿久根市有害鳥獣捕獲協会(鹿児島県)、
猪苗代町(福島県)、上ノ村自治 会獣害対策協議会(三重県)
農村振興局長賞(個人の部) :中森 忠義(岩手県)
農林水産大臣賞(団体の部)を受賞したのは、熊本県あさぎり町の松尾集落(写真右)。標高350mの中山間地域の人口9名の超小規模集落が、専門家の指導を受けて全員参加で被害防止、捕獲強化に取り組み、鳥獣被害を撲滅。約60年前に入植した父祖の地を守り、果樹園復旧や特産加工品作り、視察受け入れ、学生との連携、情報発信等、中山間地域の新しい取組モデルを提供している。
農村振興局長賞(個人の部)で表彰されたのは、岩手県八幡平農業改良普及センター上席農業普及員の中森忠義氏。積雪地帯、集落から遠い大規模圃場等の課題を克服し、効果の高い設置方法を開発し普及しただけでなく、農業者、JA、農機具販売店、若手農業者等が自分たちの手で設置や管理をおこなえるように人材を育成し、導入を進めた。50haの農地に周囲約5km、経費140万円の恒久電気柵の設置で約1000万円/年度の被害をなくすなどの効果を出している。
第3回全国鳥獣被害対策サミットも開催され、先進事例の報告が行われた。また、資機材等の展示とともに使い方等を紹介する小セミナーも行われ会場は熱気に包まれた。
野生鳥獣による農作物被害は近年、農山村の人口減少や高齢化等相まって、より広域化、深刻化しているが、対策が効果をあげている地域も少なくない。情報の共有や優良事例の公開は活動を後押しする意味を持つもので今後に期待したい。(みんなの農業広場事務局)