水稲鉄コーティング直播栽培普及拡大フォーラム 開催される(千葉県東金市、茨城県結城市)
2014年03月18日
首都圏に近い地域において新たな米政策に対応した米作りにより所得向上につなげてほしいと、北関東地域での水稲鉄コーティング直播栽培の普及拡大に向けて、関東甲信クボタグループがフォーラムを行った(2月4日:千葉県東金市、5日:茨城県結城市)。多数の農業者が参加した。
講演「水稲鉄コーティング直播栽培の現状と課題」「北関東地域の鉄コーティング直播栽培取り組み状況」と、実際に経営に鉄コーティング直播栽培を取り入れている経営主による取り組み報告のあと、「鉄コーティング直播栽培導入のポイント」について、パネルディスカッションが行われたもの。
講演「水稲鉄コーティング直播栽培の現状と課題」((株)クボタ アグリソリューション推進部 宮越彊技術顧問)では、種子準備の注意点や雑草防除のポイント、25年度鉄コーティング直播栽培の成績(主要県)、導入メリット等の解説があった。
2日目の結城会場では、茨城県八千代町の小菅乾一氏が導入の経過と結果を報告。水稲25ha、麦類40ha、大豆25ha、水稲作業受託という経営において、育苗の限界から鉄コーティング直播栽培に取り組み、平成18年に0.4haから始め、25年には2haになったこと(最初は条播、23年から点播)。育苗が不要になったことから、移植では3人で2haを一日がかりが、直播では1人で2.5~3haを一日で作業でき、家族の軽労化への評価が高いこと。麦作作業との兼ね合いから、今後も増やす予定。課題としては、鉄コーティングに適した圃場の選定と均平、雑草対策と倒伏対策、と話した。
続いて小菅乾一氏、秋本利彦氏(栃木県さくら市)、森拓也氏(茨城県農業技術センター農業研究所)、倉井耕一氏((株)関東甲信クボタ)によるパネルディスカッションでは、導入のポイントを話し合った。(コーディネーターは、植木一久氏(株)クボタ アグリソリューション推進部技術顧問。)
直播の方法は、点播が「倒伏に強い」(小菅氏)、「移植と変わらない」(秋元氏)との評価で、点播の間隔を広げ、有効分げつを確保後、強めの中干しで倒伏しにくい。
発芽の確保に2週間、発芽後10日間は走り水などで健苗を作るが、「苗立ちの確保は水管理しだい」とのこと。
また、除草は播種同時が1回目、1.5葉期に初中期剤(2回目)で、中後期剤は減収の恐れがありそうな場所だけ3回目を実施(秋元氏)との説明があった。(みんなの農業広場事務局)