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書籍紹介「攻めの保護農政」

2011年08月25日

 市場開放と国内農業の再生、農村地域の維持を両立させる農政に政府は舵を切るべきではないのか。これが著者の主張だ。保護とは縁のなさそうな欧米も、政府による手厚い保護策(所得補償)を行って国内農業を守りつつ、市場開放もおこなっている。日本では23%にすぎない政府からの所得補償(直接支払い)が農業所得に占める割合は、EU平均では78%の高率であるというから驚きだ。

 農業・農村は食糧の安定供給、国土保全、自然環境の保護、農村景観の維持、伝統文化の継承等の役割も担っている。農業を守ることは地域を守ることにもなる。まず国民の合意を得て国民全体で農業と地域を支え、市場開放と国内農業保護を両立するような策を検討すべきと、著者はいう。

 これからの国内農業を考える上で、避けることができないTPPや戸別所得補償制度についてもページを割いている。明日の日本農業の形を考えるために、そして今日の農政や政策のしくみを理解するために、一読をお勧めしたい。

 なお、著者である村田泰夫氏は、本HPのコラム「ぐるり農政」でお馴染みのジャーナリスト。


「攻めの保護農政」
村田泰夫 著
B5、168頁
定価1500円+税
農林統計協会 刊

もくじ
第Ⅰ章 混迷するTPP論議を斬る
第Ⅱ章 戸別所得補償制度を検証する
第Ⅲ章 国民全体で農業と地域を支える


問い合わせ先 
(財)農林統計協会 電話 03-3492-2987