新潟クボタ大豆研究会 中間検討会&大豆・畑作機械展示会 開催される
2010年08月06日
(株)新潟クボタは新潟大豆の高収量・高品質生産にむけて、昨年度から「大豆300Aプロジェクト」を立ち上げ、排水対策を中心とした機械化一貫体系の実証に取り組んでいる。今年も新発田、長岡、上越の三ヵ所に県の普及展示圃を設置し、現地研修会等を開催している。
8月3日(火)、展示圃の生育状況と今後の管理にむけた中間検討会と大豆・畑作機械展示会をを、燕三条地場産業振興センター(新潟県三条市)で開催、研究会員(生産者)を中心に協力メーカー及び関係者等約300名が参加した。
(株)クボタ機械営業本部 村瀬機械営業本部長、(株)新潟クボタ吉田社長からの主催者挨拶、新潟県農林水産部経営普及課、山崎参事からの来賓挨拶の後、展示圃の検討会と講演会が開催された。
●普及展示圃の検討会内容
新発田、長岡、上越における普及展示圃の生育について、新潟県農林水産部経営普及課岩津副参事が報告した。
「新発田地区」
導入技術の特徴:①耕耘・畝立て同時播種技術、②中耕・培土同時除草剤散布技術
6月4日播種、砕土がよく、出芽・苗立ちは良好であり、生育初期に一時的に畝に水が浸かることがあったが、排水対策の徹底により湿害はなかった。中耕ディスクによる培土は畝高15cm程度となり、作業速度が速く効率的な作業となった。
地上部の生育は、現在、慣行区が上回っているが、根の充実度は実証区がよい。
「長岡地区」
導入技術の特徴:①慣行の2倍の密度で弾丸暗渠を施工 ②スタブルカルチによる粗混和・粗耕起バーチカルハローによる表層砕土 ③中耕・培土同時除草剤散布技術
5月31日播種、秋に補助暗渠を施工した結果、降雨後の土壌乾燥が早く、春作業がスムーズに実施でき、出芽・苗立ちが良好であった。ディスクによる中耕・培土同時除草剤散布は除草効果が高く、生育は慣行区より実証区の主茎長がやや長く、葉数・分枝数ともやや多い。
「上越地区」
導入技術の特徴:長岡地区と同じ
6月2日播種、弾丸暗渠の施工密度を高めたことで排水が促進され、粗耕起及び砕土作業が向上し、砕土率が高まり出芽・苗立ちが良好であった。中耕ディスクによる培土は、降雨直後の高水分土壌でも高速作業が可能であった。開花期の生育は主茎長がやや短いものの、分枝数が多く良好な生育がみられる。
●300A達成に向けて
続いて(株)クボタ機械営業本部の有原技術顧問が、「生育状況に応じた高品質・安定多収生産の為の技術」について話した。
展示圃の生育は極めて順調で、実証区の根群発達は良好である。これからの管理ポイントは、水分をいかに供給して着莢数を増加させるかである。ポイントは以下の2点。
1)耕耘同時畝立播種技術で根群を拡大する
アップカットロータリによる耕耘同時畝立播種技術は排水効果を高め、発芽が大きく向上する。また、下層の粗い土塊の隙間に根を盛んに伸ばすため、生育量が大きく向上する。特に、新潟県の排水不良土壌では技術導入効果が大きい。
2)大豆の根を発達させるための土壌条件の改善
圃場の排水を高め、耕やし方を工夫して、大豆の根の発達による根群の拡大と、土壌が改善することで、大豆収量300kg達成は可能である。排水対策による土壌条件の改善が、この技術の核心である。
以上のように、本年の新潟県の大豆生育は順調であり、今回の検討会により300A達成に向けた活動成果が大いに期待される。
また、会場では大豆・畑作機械が展示され、協力メーカーによる説明と実演がおこなわれた。(みんなの農業広場事務局)