「平成22年度全国大豆現地フォーラム」を開催(岩手県北上市)
2010年06月09日
平成22年6月2日、「平成22年度全国大豆現地フォーラム」が岩手県農業研究センターで開催され、大豆生産者をはじめ、関係機関等約300名が参加した。
本フォーラムは、(社)全国農業改良普及支援協会の主催(後援:東北農政局、岩手県)により、特に岩手県の大豆生産で課題となっている反収向上に向けた、湿害回避播種技術と雑草防除技術について、広く生産者や関係機関等に紹介する目的で開催された。
(1)大豆播種機・除草機の実演展示
岩手県農業研究センター内の圃場にて、大豆300A技術である耕耘同時畝立て播種や小明渠浅耕播種、岩手県で普及の進む小畝立て播種等の実演、およびレーキ式除草機やディスク式中耕除草機等による除草実演を行った。
●アップカットロータリーによる耕耘同時畝立て播種
ホルダー型アップカットロータリーの爪配列を変更することで、非常に高い砕土率を実現。
●小明渠浅耕播種
小明渠を作構しながら浅耕播種を行うことにより、クラスト(土膜)形成や排水不良による大豆の湿害を軽減。
●有芯部分耕播種
ロータリーの爪を一部外して、播種床に不耕起部分を残すことにより、畝間耕起部の排水促進による湿害の軽減と、不耕起部の保水による乾燥害の軽減が可能。
●ツーウェイローターによる耕耘同時畝立て播種
改良ロータリーにより、深耕、ワラすき込みが可能で、砕土も良好に。
●超細土ロータリーによる耕耘同時播種
耕耘爪の多い超細土ロータリーにより、細かい土塊を表面に置くことが可能。適応馬力が比較的小さく、価格的にも導入がしやすい。
●小畦立て播種
改良した水田用代かきハローにより、畝立て播種を行う。高馬力のトラクタを用いなくても高能率であり、また低コストで導入できる。
●晩播用密条播種
改良した水田用代かきハローにより、麦あと晩播大豆用の狭畦密植に対応した畝立て播種を行う。
●レーキ式除草機
「レーキ」と呼ばれる針金状のタインで除草を行う。作業速度が早く、除草効果も高い。
●ディスク式中耕除草機
けん引型ディスクで中耕培土を行うと同時に薬剤を散布する。作業速度が非常に早く、湿った土壌でも作業が可能。
(2)室内検討会
岩手県農業研究センターの大会議室にて、発表と総合検討を行った。
参加者からは、「どのような土壌条件の場合にどの技術を採用すれば良いのか」等、一歩踏み込んだ熱心な質疑もあり、多様な播種・除草技術について、理解を深めることができた。(みんなの農業広場事務局)
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