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新潟クボタ大豆研究会 平成21年度総括検討会を開催 ~大豆300Aプロジェクト~

2010年02月16日

 大雪に見舞われた新潟県内(上越市、新潟市)で、2月4日、5日に「新潟クボタ大豆研究会 平成21年度総括検討会」が開かれた。両日とも約200名の関係者が集まって、今年度の大豆300Aプロジェクトの成果を検討した。5日、新潟市内(東北電力ビッグスワンスタジアム)で開かれた検討会の様子を報告する。


 大豆研究会の一年を締めくくる総括検討会は、冒頭、木股昌俊(株)クボタ常務取締役機械営業本部長が挨拶。「一年間の成果と課題をよく検討して、300A技術の向上に役立ててほしい」とむすんだ。次いで、吉田至夫(株)新潟クボタ代表取締役社長と、来賓の畔上恵子新潟県農産園芸課長から挨拶があった。


  
左 :木股昌俊(株)クボタ常務取締役機械営業本部長が開会の挨拶
右 :パネルディスカッションの様子


    
左 :パネルディスカッションの様子 / 右 :会場の様子


 続いて、岩津雅和新潟県農林水産部経営普及課副参事から『新潟県産大豆の作柄概況及び新発田、長岡、上越普及展示ほの成績』について、説明があった。


 平成21年産新潟県大豆の収量は、168kg/10a(H21年11月中旬現在)で、平年比94%、前年(180kg/10a)比86%の見込み。しわ粒は前年・平年に比べて少なく、1、2等比率は47.1%と極めて高品質大豆が生産された。

 普及展示圃の成績は以下の通り。新発田地区では、耕耘・畝立て同時播種を実証したが、初期の湿害を防ぎ、初期生育を促進する効果が見られた。慣行区240kgに対し、実証区では270kgの収量があった。また、畝立て同時施肥播種機を用いた結果、労働時間が20%削減された。

 長岡地区では、砕土率を上げるため、スタブルカルチとバーチカルハローで土壌条件の改善に取り組んだ。圃場によって効果に差があったことと、雨天や適期収穫ができなかったことで、平均収量は240kgだったが、すべて1等となった。

 上越地区では、補助暗渠を慣行の2倍の密度で施行し、ほ場の乾燥促進と、出芽苗立向上効果が確認できた。しかし、開花期からの日照不足による蔓化傾向により、平均収量は約220kgだった。


  
会場の様子


 パネルディスカッション『実証ほ1年目の結果から・・・根を見てわかること』では、土作り、排水対策、除草対策、根部層の拡大や栽培後半の水やり等、いろいろな課題が浮かび上がった。
 「来年は機械をもっと利用して圃場条件を良くし、収量を300kgに近づけたい」(境町生産組合(長岡市) 長谷川さん)
 「除草体系をきちんと整えたい。後半に根粒菌を働かせたい」(金塚生産組合(新発田市)竹内さん)


  
左 :有原丈二(株)クボタ技術顧問 / 右 :(株)新潟クボタソリューションチームの発表


 有原丈二(株)クボタ技術顧問は、「雑草対策と根張りの確保が大切。初期に除草することで、大豆自体の生育で雑草を押さえ込むようにする。また、多収を得るには、地中の根と根粒菌を大きくすることが秘訣。根粒菌には水と空気が必要なので、後半はたっぷり灌水をしてほしい」と話した。
 課題として1年目は排水対策に取り組んで、品質では一定の成果を得たが、開花期以降の近年にない日照不足により、目標収量の300kgは達成できなかった。2年目は、作土層の拡大、地域や土壌にあった機械と技術を導入することと、後半の灌水技術が課題と総括した。
 
 また、実証に協力した(株)新潟クボタソリューションチームからは、『大豆300Aプロジェクト活動及び機械化体系のまとめ』『平成22年度大豆300Aプロジェクト計画』が報告された。次年度は、今年度の活動に加えて「大豆の根を見る会」を開く予定であり、さらなる300A達成にむけた、プロジェクト活動が期待される。(みんなの農業広場事務局)