「トマト調理の多様性を探る」
2008年12月10日
野菜と文化のフォーラムが主催するトマト料理試食フォーラムが、12月8日、女子栄養大学松柏軒(東京都豊島区)で開かれた。
日本では、トマトは「生食」されることが多い。消費拡大には、調理用トマトをいかに食卓にのせていくかが鍵となっている。
まず、佐野泰三・カゴメ(株)コンシューマー事業本部常務執行役員が「加熱調理にも向く、最近のトマト品種について」、続いて秋谷史・同事業本部管理栄養士・フードコーディネーターが「店頭におけるトマトの重要性」について基調講演をおこない、日本のトマト消費の現状や、流通しているトマトの特徴、加熱調理メニュー等について説明をおこなった。
続いて、種苗メーカー数社から提供されたさまざまな品種トマトを使い、女子栄養大学松柏軒のスタッフが調理した料理12種が次々に食卓に並び、参加者がトマトの風味や料理を評価した。
左上 :トマトのステーキ /右上 :トマトの味噌汁
左下 :トマト鍋 / 右下 :ブルスケッタ
もともとトマトにはグルタミン酸が含まれるため、日本料理の「出汁」と同じような使い方ができる。また、肉や魚介と一緒に調理すると、イノシン酸と相まってコクのある味を引き出しやすい。
総合討議では、調理する立場からは
「トマトを使った加熱料理は短時間で調理できるものが多いので、30~40歳代をターゲットに売り込んだらどうか」
「トマトの栄養面を前に出せば、病院や福祉施設等の食事メニューに取り入れられやすいのではないか」
「野菜売り場ではトマトとして置かれているだけで、違いがわからない。せめて用途(生食用、加熱用)だけでも表示してもらいたい」 等の意見が。
流通サイドからは
「リコピンやベータカロチン含有量は、栽培時期や方法で変わることはないのか」
「トマトアレルギーは存在するのか」 等の質問が活発に出た。(みんなの農業広場事務局)
※当日使用されたトマト
スナックトマト、こくみラウンド、こくみミディ、高リコピントマト、こくみプラム(カゴメ(株))
ハウス桃太郎、桃太郎ゴールド(タキイ種苗(株))
麗容、アイコ((株)サカタのタネ)
レッドオーレ、至福(カネコ種苗(株))
トマトベリー(トキタ種苗(株))
シシリアンルージュ(パイオニアエコサイエンス(株))
注)野菜と文化のフォーラム事務局が各種苗メーカーにメニューを提示し、種苗メーカーがメニュー毎に合うトマトを提供した。