雑穀研究圃場を見学(神奈川県藤沢市)
2008年08月28日
近年の健康志向の高まりやメタボ対策がいわれる中、「雑穀」に注目が集まっている。
雑穀研究圃場見学会が、去る8月24日(日)、日本雑穀協会の主催でおこなわれた。
見学先は、日本大学生物資源科学部 国際地域開発学科 熱帯資源作物研究室の倉内伸幸准教授の研究圃場で、なかなか目にすることができない雑穀栽培の様子を見ることができた。
形質調査等のため栽培されているのは、以下の品種。
シコクビエ、アワ、キビがそれぞれ40品種、モロコシ31品種。
ハトムギ、キノア、アマランサス、テフ、フォニオ、トウジンビエが1~4品種。
ネリカ1品種。
写真 左:モロコシ / 右 :キビ
播種は4月末で、5月末に苗を移植。施肥は堆肥のみ。無農薬のためアワノメイガの害が若干あり、また、ある程度育つまでは除草(手除草)が必要である。
9月中には収穫の予定だ。
また、同研究室では、地元藤沢市長後地区町内会の依頼を受けて、地域活性化プロジェクト(藤沢市の支援事業)に協力している。遊休農地を利用してシコクビエを栽培し、シコクビエを使った商品を開発する。
長後地区にある協働栽培圃場約10aで、シコクビエを栽培中だ。
無肥料区、施肥区(5kg/10a)、1/2施肥区に分けて栽培されており、反収100~150kgを目標とし、9月中旬に収穫を予定している。
見学日は雨天で、苗の倒伏が見られた。
アワやキビほどにはなじみがない「シコクビエ」だが、岐阜や徳島の中山間地では、粉にしたシコクビエを練って団子にし、餡をつつんで蒸したものが食べられてきた。原産地アフリカでは、主食以外に醸造用にも使われている。
さて、参加者が圃場見学をしている間に、研究室の学生が臼でシコクビエをひいて、粉を用意してくれた。蒸してできあがった「アケビもち」 ※1を全員で試食した。できたては柔らかく、餡入りで少し甘く、素朴な味がした。(みんなの農業広場事務局)
※1 蒸した直後の色が、アケビのような鮮やかな紫色のため、岐阜ではアケビもちとよばれる。
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