(農研機構)X線CTを用いた水田のイネ根系の可視化
2025年04月17日
土中の肥料を効率的に吸収できるように根系(根の形態)を改良することは重要であるが、ほ場で栽培された作物の根系を計測するには、掘り出し、土を洗い流す必要があり、労力がかかる上、根の形が崩れるなどで、これまで根系の評価は困難であった。上記の問題を解決するため、農研機構は、水田から収集した土壌ブロックの内部を非破壊で撮影できるX線断層撮影(CT)を用いたイネの根系の観察技術を開発した。
従来の、土から掘り出して根を洗って計測する手法では、1人が1日で1個体程度しか計測できず(1人日)、500個体の品種や育成系統の根系を評価する場合、約500人日かかることになる。本技術を用いれば、500個体の評価が約10人日の労力で済み、従来の選抜育種過程では現実的な作業量ではなかった根系の評価が可能となった。農研機構は本技術を低施肥栽培に適したイネ品種の育成に活用し、持続可能な農業の実現に貢献する。
詳細はこちらから