(国際農研)食の窒素フットプリントにより熱帯島嶼の窒素負荷削減効果の可視化に成功-化学肥料30%低減に向けた資源循環型農畜産業のシナリオ-
2024年03月19日
国際農研は、農研機構との共同研究により、食の窒素フットプリントを活用し、熱帯・亜熱帯島嶼における有機資源利用促進と化学肥料削減による食料システムから、窒素負荷削減効果の可視化に成功した。
本研究では、農畜産業が盛んな亜熱帯島嶼である沖縄県石垣島を対象に、島外から持ち込まれた食料・飼料(外国から輸入および本土・離島から移入)と島外に持ち出された食料(輸出および移出)を含む島の食料システム全体から、窒素負荷の実態を把握すると共に、島内で発生する最大の有機資源である牛糞堆肥を農地で利用することで、みどりの食料システム戦略の数値目標「化学肥料使用量30%低減」を達成するシナリオを検討。その結果、牛糞堆肥の70%を農地で利用することにより、化学肥料の使用量を30%低減しても作物生産用の窒素投入量を維持できること、その際には石垣島で発生する総窒素排出量(窒素負荷)を18%削減できることが分かった。
今回適用した食の窒素フットプリントは、他の熱帯・亜熱帯島嶼地域への応用も可能であり、昨今の化学肥料価格変動への対応に必要な施策立案だけでなく、国連の持続可能な開発目標(SDGs)や、みどりの食料システム戦略への貢献が期待できる。
詳細はこちらから