(名古屋大学ほか)植物成長促進ホルモンの新たな活性化経路を発見 ~イネをはじめ作物の収穫向上への応用に期待~
2023年08月30日
名古屋大学は、理化学研究所、農研機構、岡山大学との共同研究で、植物成長促進ホルモンの1つサイトカイニンの新たな活性化経路を発見した。
サイトカイニンは窒素栄養に応じた植物成長促進やイネの穂形成など、植物生産に関わる非常に重要な植物ホルモンで、これまでその生合成は細胞内で行われると考えられてきたが、本研究で、同定したサイトカイニン活性化酵素タンパク質CPN1が葉の細胞壁空間(アポプラスト)に存在し、細胞内とは別の代謝経路により、根から輸送されてくる前駆体を活性型に変換していることを明らかにした。また、CPN1の機能を失ったイネ変異体では、葉でのサイトカイニン情報伝達が正常に行われなくなり、穂のサイズも小さくなることが分かった。
CPN1遺伝子の利用により、人為的にサイトカイニン作用を調節することが可能になることから、イネをはじめとした作物の収量向上への応用が期待される。
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