(農研機構)昆虫共生微生物が誘導する宿主の性転換現象を培養細胞上において世界で初めて再現
2023年04月07日
共生微生物ボルバキアは、宿主昆虫のオスをメス化する等、宿主の生殖を操作することが知られている。
農研機構を中心とする研究グループは、オスをメス化する働きを持つボルバキアを昆虫から取り出し、チョウ目害虫アズキノメイガのオスから作出した培養細胞に移植する技術と、PCR検査により簡易的に細胞の性を判別する技術を用いて、共生微生物による性転換現象を、試験管内で再現することに世界で初めて成功した。また、性転換させた培養細胞を用いた実験から、ボルバキアが宿主アズキノメイガの性決定に関与する2個の遺伝子発現の操作を通じて宿主のメス化を誘導していることがわかった。
昆虫をメス化しオスをいなくさせる本技術は、新しい害虫駆除技術や有用昆虫の効率的生産技術の開発につながると期待される。
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