ハトムギ(イネ科)
2018年10月24日
- (植物学名)Coix lacryma-jobi L. var. mayuen Stapf
- (生薬名)ヨクイニン(薏苡仁)、ハトムギ
- (利用部位)種皮を除いた種子(ヨクイニン)、果実および苞鞘(ハトムギ)
分布、主な産地
東南アジアを原産とする1年生草本。
本種はジュズダマ(C. lacryma-jobi L.)を原種とする栽培変種で、東南アジアを主として、中国、朝鮮半島および日本で栽培されています。
両種の主たる区別点として、ハトムギの苞鞘(殻)は薄く、柔らかく、指で押すと割れますが、ジュズダマでは厚く、硬く、指で押しても割れません。
種子のでんぷんは、ハトムギが糯性で、ジュズダマは一般に粳性です。両種は風媒花で、極めて容易に交雑し、交雑種はジュズダマ化するため、両者を隣接して栽培してはなりません。
ハトムギの国内栽培は富山、岩手、栃木、島根の各県や北海道など広く行われており、2016年の栽培面積は834ha、生産量は1,373tでした。品種別栽培面積は'あきしずく'が最も多く(64%)、ついで'はとゆたか'(27%)です。当薬用植物資源研究センターでも2品種'北のはと'と'はとろまん'を育成し、前者は種子の糯性100%品種として、北海道限定で栽培されており、後者は大粒品種です。
ハトムギ(左)とハトムギの花(岡山在来)(右)
ハトムギの花(はとろまん)
医薬基盤・健康・栄養研究所薬用植物資源研究センター 研究員 飯田 修
●月刊「技術と普及」平成30年3月号(全国農業改良普及支援協会発行)から転載