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ごうしゅいも-素朴で甘く、煮くずれしない地域限定のじゃがいも

2017年12月08日

特徴と由来

●徳島県三好市東祖谷(ひがしいや)・西祖谷山村(にしいややまむら)地域

 「ごうしゅいも」は、古くから徳島県剣山周辺の山間部に伝わるバレイショの一種で、昔、都を追われてこの地方に落ちのびた平家の一族が伝えたのが始まりと言われており、源氏に見立てた白系と平家に見立てた赤系のイモがあります。
 比較的冷涼な気候の中山間傾斜畑で栽培されているため、イモの大きさは一般のバレイショに比べて小ぶり(卵大程度)で、素朴で引き締まった舌ざわりと、他品種と比べて淡白ながらも独特の甘みがあります。煮込むほど固く締まり、煮くずれしないのが最大の特徴です。

産地の動向

 「ごうしゅいも」の栽培は古くから行われていましたが、栽培面積が少ない上、品種特性として単収も低い(500kg程度)ことから生産量がわずかで、市場販売には移行しにくく自家用及び地域内消費に限られていました。平成9年度から国補事業を活用し、JA、県の試験研究、普及、市場等関係機関が連携を図りながら産地化に取り組み、平成11年度から市場販売を始めました。紅白セットで「源平いも」として販売されていますが、さらにブランド化を図るために「源平いも認定委員会」において、「源平いも」の名称を使える地域や農家の基準を設けています。
 しかしながら近年は、栽培農家の高齢化や鳥獣被害等により栽培面積、生産量の減少が深刻化しています。今後は周辺地域への栽培推進や「ごうしゅいも」の特性を活かした6次産業化に取り組むことで産地維持を図ることとしています。

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紅白セットで出荷

栽培方法

 2月下旬~3月中下旬にかけて、排水性の良い傾斜畑で低標高地から順次種イモの植付けを行い、7月中下旬~8月上旬に収穫します。栽培管理は一般のジャガイモとほぼ同じで、畦幅60~80cmの1条植えとし、防霜、抑草を兼ねて敷き草を行います。植付け後、イモの肥大促進のため3~4本仕立てとし、追肥にあわせて中耕、土寄せを行います。また、「ごうしゅいも」は紫色の花をつけるので、開花時には異品種を見分けて除去します。収穫調整後は、温度と湿度変化の少ない冷暗所、貯蔵庫で1カ月以上追熟させてから出荷します。

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ごうしゅいもの栽培風景

食べ方

 この地域に伝わる郷土料理に「でこまわし」があります。「でこまわし」とは、下ゆでした「ごうしゅいも」やこんにゃく等を串に刺して合わせ味噌を塗り、とろ火でじっくりあぶった田楽のことで、合わせ味噌に山椒を使うと、より一層おいしくなります。
 また、ふかしいもやフライなど素材本来の味を楽しむ料理や、煮くずれしない特徴を活かしたおでん・煮物などに適しています。中でも「合わせ味噌と山椒を使った味噌炒め」は絶品です。

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郷土料理「でこまわし」

執筆者
豊永恭代
徳島県三好農業支援センター 普及指導員

●月刊「技術と普及」平成28年12月号(全国農業改良普及支援協会発行)から転載