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平田赤ねぎ-赤紫と白、緑の色が美しい一本赤ネギ

2014年06月11日

由来と特徴

 ●栽培地域 : 山形県酒田市平田地域

 「平田赤ねぎ」は山形県酒田市平田地域(旧平田町)で栽培されている在来野菜で、全国的にも珍しい、分げつしにくい一本赤ネギです。外観は、葉の濃い緑色、葉鞘は上部の白とワインカラーに似た赤紫色の美しいコントラストが特徴です。

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平田赤ねぎ

 始まりは、北前船が上方と酒田港を往来していた頃とされ、江戸時代の末期に最上川舟運で種がもたらされたと言われています。土壌条件や自然条件との相性が良く、味が良いことから、今日まで伝承されてきました。
 収穫まで1年半以上の労力をかけ、100年以上もの間、越冬用や薬用として農家に大切に受け継がれ、地域に愛される野菜となっています。

栽培方法

 約10年前から栽培体系を改善し、現在では一般のネギより2カ月早い2月に播種し、セルトレイ育苗を行って5月に定植、10月下旬から出荷されています。
 数回の土寄せを行いながら真っすぐな一本ネギに仕上げます。施肥は通常のネギ栽培と同じです。
 産地では、排水対策を講じた転作田で栽培されています。機械定植をはじめとする機械化一貫体系の導入により、作業の省力化を図っています。

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調整作業

食べ方

 生では普通の白ネギよりスキッと辛い後味が際立ちますが、煮ると一転してトロリとした甘味が強調されます。このため、鍋物に入れるのが定番となっています。
 また、赤色を活かしたきれいなピンク色の甘酢漬けや赤ネギサラダ、甘みを活かしたスープやグラタンなど、生産者たちによる新しいレシピづくりも盛んに行われています。
 近年では、「赤葱せんべい」「赤葱うどん」などの新たな加工品が開発、商品化され、直売所等で販売されています。

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店頭に並ぶ平田赤ねぎ

産地の動向

 現在、「平田赤ねぎ」は地元の直売所や京浜市場を中心に販売されていますが、消費者交流や市場と連携したPR活動、地域団体商標の取得などのブランド力強化により需要は増えてきています。
 今後は、「平田赤ねぎ」の産地ブランド確立に向けて、収量・商品化率のアップ、在来種特有の品質のばらつきや収穫後の調製作業の改善等に取り組んでいく予定です。

執筆者
野仲実保
山形県酒田農業技術普及課

●月刊「技術と普及」平成24年9月号(全国農業改良普及支援協会発行)から転載