提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ
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平成20年度の山形県の飼料イネ作付け面積は約300haだが、尾花沢市内での取組は少なく5ha程度である。
黒毛和種肥育牛への給与や肉用牛繁殖経営の規模拡大が見込まれるなど、肉用牛への飼料イネ需要は今後高まるものと予測されることから、飼料イネ生産費の低減と調製技術の高度化を当該地域で実証し、低コストで高品質な稲発酵粗飼料の耕畜連携した生産供給システムを普及する。
1.当地域の水温が比較的低いことから、播種から出芽まで10日ほど要した。出芽率は75%、苗立ちは112本/㎡であった。防鳥糸を設置したものの、覆土されない部分等一部で鳥害が見られた。
2.収穫時まで倒伏といもち病の発生がなかったが、施肥水準が低いため収量は1,590kg/10a(坪刈り収量)で、目標より低い結果となった。また、β-カロテン含量は乾燥稲わら並に低下した。
3.調製した稲発酵粗飼料(以下WCSと略記)は、色沢、香り、触感等の官能評価に優れ、発酵品質においてもV-スコア法による評価は100点、栄養的にも推定可消化養分総量が60.1%(乾物中)と高く、肥育牛の嗜好性も極めて高いものに仕上がった。
4.直播によるWCSの単位面積当たりの生産費は61,478円/10aで、移植栽培の72,173円/10aよりも低減された。一方、直播の収量が低水準であったことから、単位重量当たりでみると直播が38.7円/kg、移植が30.5円/kgで、8.2円/kg高い結果になった。
山形県尾花沢市