提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ
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●背景
・実証圃を設置した地区では、基盤整備による圃場の大区画化および法人化が進んでいる。
・メロン、ミニトマト等の園芸作物との複合経営が多く、春作業の競合が課題となっており、より省力的な水稲栽培が求められている。
・県内での大区画圃場での鉄コーティング直播栽培の実証例は少なく、収量・品質に不安があり、地域に応じた技術確立が求められている。
●目標
大区画圃場における鉄コーティング湛水直播栽培による収量の安定化および省力・低コスト化を実証する。
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除草剤散布 | 能率と効果 |
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![]() 除草剤散布作業 |
・実証区は播種同時散布(サンバード1キロ粒剤30)を行った。 ・ヒエの発育が早かったため、イネ1葉期に落水して、クリンチャーEWを散布した。その後の一発処理剤(トップガンL250)を施用した。 ・成熟期の残草はヒエが散見される程度で、除草効果は良好だった。 ●型式 ハイクリブーム(BSA500JDE) |
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●成果
1.播種量は3.8kg/10a、播種粒数7.2粒/点で、おおむね目標量が播種された。田面がやや乾燥した状態で播種されたため、点播がばらける傾向にあったものの、播種精度は高く、欠株や播種ムラも認められなかった。
2.播種後は好天に恵まれ、出芽始めまでは順調であった。落水管理および浅水管理時に南西から強風を受ける日があり、田面水が北側に寄せられ、南側は圃場の乾燥が進んだり、田面が露出するなどがあった。強風による田面水の波立ちによる種子のかくはんは見られなかったが、落水時の強風により種子がやや動かされた。苗立ち率は58%、苗立ち本数は78本/㎡と目標より低くなり、1葉展開までの日数はややバラツキがあった。
3.初期除草剤散布後、強風により田面が露出しやすい圃場の南西側にヒエが見られ、ヒエの葉齢展開も早かった。対応策として、イネ1葉期(ヒエ3.5葉期)にクリンチャーEWを散布し、その後に一発処理除草剤を散布した結果、残草はほとんど見られなかった。
4.播種後~7月までは、総じて気温も高く、実証区は6月下旬から慣行区と同等の茎数、穂数となった。歩刈収量は、543kg/10a(慣行区の97%)、検査等級一等、玄米粗タンパク含有率6.0%(慣行区5.1%)となった。実証区の出穂期頃(慣行区の出穂の約10日後)から成熟期の低温・日照不足や、8月下旬の強風の影響が慣行区より実証区で大きく、登熟歩合の低下、未熟粒の増加と玄米粗タンパク質含有率が上昇する要因となった。
5.実証区は、大型機械導入+省力技術を組み合わせた直播栽培体系で、労働時間4.48h/10a(慣行区の48%)と大幅に省力化できた。
作業時間の比較
(注)ラウンドの関係上、合計と内訳が一致しない
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