甦れ、栃尾の棚田! 酒造好適米「越端麗」の栽培で地域活性化をはかる(新潟県長岡市)
2010年03月19日
水害と中越地震による被害のため、数年耕作放棄地となっていた長岡市栃尾の棚田が、地域の人々の思いと行動でよみがえった。
左 :8月25日の棚田の様子 / 右 :耕作放棄地再生の看板を道路沿いに設置
旧栃尾市の酒販店の人たちが、「棚田の生きものを愛する会」を発足し、活動を始めたのは平成18年春。地元栃尾の耕作放棄された棚田で、酒造好適米「越端麗」を自分たちの手で栽培したい、という思いから始まった。
ひとごとだと思っていた耕作放棄が、身近な場所でおこっていたことに驚きを覚えるとともに、多くの人に現状を知ってもらいたいと、2年目からは「棚田サポーター」を募集。長岡科学技術大学の学生10名ほどが応募して、ボランティアスタッフとして参加するようになった。
全会員とも農家ではなく、農業機械はもちろんない。手作業ではできることに限りがあるため、クボタeプロジェクトの支援を受けて、機械化作業体系による酒米の栽培を、2年間(平成20~21年)行ってきた。
対象地は長岡市田の口地区、一之貝地区、軽井沢地区で、21年度の対象面積は2.2ha。
平成21年の作業日程は以下の通り。
4月24・25日 米ぬかペレット散布、畔塗り
5月7・9日 荒起こし
5月13・14日 代かき
5月16・17日 田植え
6月1日 草刈、水管理
9月13日 草刈 ※クボタeプロジェクトイベント
9月29日 稲刈り(田の口地区)
10月5日 稲刈り(一之貝、軽井沢地区) ※クボタeプロジェクトイベント
9月13日の草刈イベントには、総勢20名ほどが参加して、刈り払い機を使って、畔周りを中心に草刈を行った。
10月5日は、待ちに待った収穫イベントが行われた。総勢50名が2カ所に別れて、作業を行った。
収穫された酒造好適米「越端麗」は、地元酒造メーカーに納入され、地元産の米を使った酒「壱醸」としてブランド化の確立をめざしている。安心、安全で作り手の顔が見える酒として、地域活性化に活用したいという。
醸造された酒は、先日、栃尾棚田産「越端麗」純米酒「壱醸」として、新酒披露宴でお披露目された。(みんなの農業広場事務局)