特産「吉野ガーリック」作付けで耕作放棄地の解消と特産の生産拡大を!
2009年11月06日
佐賀県吉野ヶ里町上三津東地区は佐賀県東部に位置し、人口約150人。2年前に吉野ヶ里にんにく部会が作られ、町の特産物として、ジャンボニンニクを「吉野ガーリック」と名付け、作付け面積をふやしている。昨20年度には、約3000㎡の耕作放棄地を解消した。
今年度クボタeプロジェクトの支援を受け、耕作放棄地1343㎡をニンニク畑に変える取り組みを行ってきた。
対象地は10年以上放置されていた水田で、人の背丈ほどに竹やカズラがはえていた。
クボタeプロジェクトで8月6日に草刈り、17日にプラウ耕をした後、にんにく部会員10数名が2日がかりで、手作業でカズラの根を抜いていった。
溝切り、砕土・整地、深耕を9月に、溝掘り、排水路の設置、耕うん整地を10月5日に、eプロジェクトが実施した。
左 :植え付けを待つ「ジャンボニンニク」 / 右 :作業前の圃場。耕うん整地がすんでいる
10月19日、再生された土地に、畝立とにんにくの定植が行われた。
まずクボタトラクタ+ロータリで畝立を行い、続いて、レタス移植機で植え付けをした。
一片ずつにほぐした種ニンニクを、レタス移植機が爪で地面に開けた穴に置いて行く。種ニンニクが不揃いのため、その後は手作業となり、ニンニクの向きを確認して、土をかぶせていった。
吉野ガーリックは、昨年までに整備した共同圃場で有機JASの認可を受けている。今回の新圃場でも、除草剤は使わないため、圃場の半分で畝立てと同時に黒マルチを展張し、続いて移植機でマルチに穴をあけながらニンニクの定植を行った。
収穫までの管理はにんにく部会が行い、来年6月に掘取機を使って収穫する予定だ。
左 :畝立の様子 / 右 :定植作業。種ニンニクを落としたあとは、手作業だ
左 :ニンニクが落とされたところ / 右 :なにしろジャンボ。Mサイズのニンニク1個とジャンボニンニク一片が同じ大きさである
左 :トラクタで畦立てしながらマルチを貼っていく / 右 :マルチをした後に穴をあけながら定植
高齢化や担い手不足の中、今後も面積を増やしていくために、従来の手作業に代わって機械化体系を取り入れていきたいという。
副部会長の松本茂さんは、地域でこのジャンボニンニクを作って26、27年になる。試行錯誤して、土つくりや栽培のノウハウを生み出してきた。「もともとは、もぐらの害がひどかった所でこのニンニクを作ったところ、被害が出なかったので栽培を始めた。吉野ヶ里町とタイアップして面積拡大を進めているところだが、吉野ガーリックを町の特産としてぜひ売り出したい。今まで手作業で面積を広げてきたので、機械を使った作業をしていただき、大変に感謝している。それが耕作放棄地を減らすことになれば、地域にとっても有り難い」と話した。(みんなの農業広場事務局)