耕作放棄地の再生・利用で小麦団地形成に取り組む(福島県郡山市)
2009年09月10日
福島県郡山市の上石小麦生産組合は、クボタeプロジェクトの耕作放棄地再生支援を受けて、昨年度から遊休農地(※1)の解消と地場産小麦の生産拡大に取り組んでいる。
※1
対象地区(郡山市中田町上石字沢目木地内、約0.9ha)は、平成3年度国営事業によって農地が造成され、葉たばこ、果樹、野菜が栽培されてきた。近年、農家の高齢化、後継者不足、農産物価格の低迷等によって、放棄地が増えている。
耕作放棄地再生の取り組み経過
20年9月 草刈り作業。地元農家による雑木の抜根
20年11月 耕起作業
21年4月 砕土・整地作業
21年6月 地元農家による緑肥作物(セスバニア)の播種
21年8月 緑肥作物の刈取り、耕起、砕土・整地作業
左 :再生前 ススキ、セイタカアワダチソウ、クズが繁茂する山間の遊休畑地
右 :草刈り作業(20年9月)トラクター牽引の草刈機で雑草をみる間に細断していく
左 :地元農家、関係者が見学に。大型機械の威力に感嘆の声
右 :耕起作業(20年11月) プラウ耕で細断した草を鋤込み、草の根を反転
左 :このように大きく反転した草の根を冬の寒さや雪にさらし、枯死させる
右 :砕土・整地作業(21年4月)一冬を越し、 雑草が枯れ、土壌が乾燥したところで砕土・整地(バーチカルハロー耕)を行う
左 :緑肥作物の栽培 21年6月に地元農家により、緑肥作物のセスバニアが播種された
右 :セスバニア
左 :草刈り作業(21年8月29日) トラクター牽引式の草刈機でセスバニアを刈り取り、細断
右 :耕起作業 刈取り後、プラウで耕起し、細断した草や草の根を反転・鋤込みをする
左 :砕土・整地作業 バーチカルハロー耕で、鋤込んだ草や根を掻き出さず、表層を浅く砕土・整地を行う
右 :見違えるような農地に復元された。
「たいへんに荒れた土地が、これほどきれいな農地に蘇るとは夢にも思わなかった。機械力の素晴らしさを十分見せてもらった」(上石小麦生産組合長)
「機械の力を実感させてもらった。今年4月の整地後、緑肥を播いたが、その細断・鋤込み・整地などもクボタの大型機械の支援がないとできなかったと思う。農家の方々も感心し、感謝していた。今後も、作業請負などの形で支援してもらえれば有り難い」(郡山市東部土地改良区事務局長)
再生した農地では、本年10月に小麦生産組合が小麦の新品種「ゆきちから」を播種し、小麦団地形成に向けて、本格的な農地利用が始まることになっている。また、収穫される小麦は、郡山市内のラーメン屋さんに販売するなどして、地産地消をめざす。(みんなの農業広場事務局)