提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ
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このコナジラミは、スペイン等から新たに侵入してきたものと考えられています。
姿形(外部形態)からは、従来のタバココナジラミと同じように見えて判別できませんが、作物に対する加害の程度、薬剤に対する感受性(抵抗性)程度等の生理・生態的特性が異なる虫です。
タバココナジラミは、約40種類のバイオタイプがあり、これまで「シルバーリーフコナジラミ」としてきたコナジラミも、タバココナジラミのバイオタイプBです。
タバココナジラミのバイオタイプBとバイオタイプQは、外観上とても似ているために肉眼での区別がつきません。これらのタイプの判定は、遺伝子の違いによって判別します。
タバココナジラミ バイオタイプQは、九州を中心に全国的に拡大しており、現在25都府県で発生が確認され、広域に発生しています。寄生が確認されている作物は、トマト、ナス、キュウリ、イチゴ、アスパラガス、メロン、ピーマン、カボチャ等で、これまでコナジラミ類が寄生していた作目と同じです。バイオタイプQが問題となっている理由は、これまでバイオタイプBに効果の高かった薬剤の中で、バイオタイプQに対して効果を示さない薬剤があることです。そのために、防除適期や薬剤の選択を誤ると、ナス、アスパラガス等の作目で、すす病が発生する程多発します。
また、トマト黄化葉巻病の原因となるウイルス病の媒介能力についても、従来のバイオタイプBよりもタイプQが高いと言われています。さらに、詳しい寄主植物範囲、発達速度、増殖率、耐寒性等の詳細な生理・生態については、現在、研究機関で検討しています。