提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ
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土壌還元消毒とは、化学薬剤を使わない環境に優しい土壌消毒法です。具体的には、土壌に有機物(米ぬか500~1,000kg/10a等)を混和後、ビニールで地表面を被覆して十分に水分がある状態でハウスを密閉し、20日間程度地温を30℃以上に保ち、土壌微生物を急激に増殖させ、土壌を急激な還元状態にする方法です。
多くの土壌病害虫は酸素を必要とするため、死滅したり増殖が抑えられます。そのほか、有機物から生成される酢酸などの有機酸、微生物の拮抗作用、太陽熱・発酵熱による高温などの複合的な要因によって土壌病害虫が著しく抑制されます。
土壌還元消毒の長短所は、次のとおりです。
●土壌還元消毒の長所
・資材費が安価であり、簡易である。
・消毒薬剤を使用しないので、農業者への薬剤被爆がない。
・耕種的な土壌消毒であり、クリーンなイメージがある。
・太陽熱消毒と比較し、処理可能期間が長く高い効果が期待できる。
●土壌還元消毒の短所
・土壌消毒期間が20日間程度必要であり、薬剤土壌消毒に比べてやや長い。
・ハウスからドブ臭がするために、住宅に隣接した圃場には向かない。
・湛水状態が保てない排水が良好なハウスでは、効果がやや劣る恐れがある。