提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ
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圃場の条件や栽培概要、出穂遅れが圃場どのような箇所でどのように発生しているかなど、詳細が分からないため、一般的な要因を挙げてみます。
■圃場周辺部の発生の場合
①圃場の周辺に街灯がある場合、街灯近くのイネの生育は周辺と変わらなかったにもかかわらず、出穂が遅れます。これは、イネが街灯による日長を感受するためです。
②水田畦畔の除草剤散布後、雨などでその成分が水田に流れ込んだ場合、イネが根から吸収し、圃場の周辺などで出穂が遅れることがあります。
③水口部は用水の水温が低いため生育が遅れ、出穂が遅れます。
■圃場の周辺以外の場合
①まれに雷が圃場に落ちると障害が出て、ひどい場合には枯れますが、程度が軽い場合は回復し、出穂が遅れます。
②稲の初期生育時に、圃場の高低差により活着・生育が遅れた個所で出穂が遅れます。ただし、出穂は数日の違い程度です。
③施肥のムラや地力差で栄養が豊富な部分は、出穂が遅れ気味になります。これも、出穂は数日の違い程度です。
④田植時の圃場表面が硬く、苗の根が泥でふさがらない状況で水田除草剤が根に直接あたった場合、薬害を生じ、生育遅れから出穂遅れが生じることがあります。この場合はイネの生育時に差があると思います。
⑤生育中期に葉いもち病などの病害により生育が抑制された場合、その後に回復しても、出穂が遅れます。