提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ


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よくあるご質問(pick up!)


稲作

田植え後の稲が浅緑色で深緑色になりません。穂肥を散布すると深緑色になりますが、元肥が効いていないということでしょうか? 元肥は十分に散布しているつもりですが、土壌が悪いということでしょうか? 水持ちの悪い田んぼではありますが、関係はありますか?

栽培の概要や田植前後、現在の田んぼ全体の状況が分かりかねますのではっきりとした原因は分かりかねますが、元肥を入れたにもかかわらず田植え後、葉色が淡く、稲株が張らない原因には次のようなことが考えられます。


1.水持ちが悪く、いつも水を入れ続けた。
2.田植え後、雨等により深水となった期間があった。
3.田んぼが柔らかく、田植の植付深さが深くなった。
4.代かきを丁寧に行い、土が細かくなりすぎ、根に酸素がいかず根の伸長が抑制された。
5.未熟の有機物(前作の残渣、未熟堆肥など)により、土壌還元(土のワキ)が起こり、根の伸長が抑制された。

<対策>
間断灌漑(水がひいたのち水を入れる)からやや水を干し気味に水管理する。これにより、生育が回復すれば、これらの原因であったと考えられます。
元肥と穂肥を施す計画の施肥方法であれば、計画されている穂肥の時期に施肥すればよいと考えられます。
元肥で全量を施肥されている場合には、穂肥などの追肥は、過剰生育による病害虫や倒伏の原因となるため、避けたほうが良いと考えられます。


もしこれで回復しなければ、以下の原因が考えられます。


6.初期生育時の病害虫により、生育が抑制されている。
<対策>
担当地域の普及センターやJAに相談され、原因となる病害虫を診断してもらい、対策薬剤を散布する。


7.田植えが浅植や軟弱苗の状態で、根に影響のでる水田除草剤を散布した。
<対策>
除草剤の薬効が切れてくると回復する可能性があるので、追肥などによる対策は取らないほうが良い。


いずれも元肥は計画通り施用されているとのことですので、追加の追肥や計画以上の穂肥による対策は取らないほうが良いと考えられます。