提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ
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お米が割れてしまう原因の多くは、刈取り直後の脱穀ではなく乾燥の方法にあります。
どのような方法で乾燥されたか分かりませんが、生籾のような高水分の籾を高温(穀温40℃以上)で急激に乾燥すると、割れてしまう原因となります。一般的に1時間当たりに下がる籾水分は0.8%以下にすることが目安となっています。
これまでは、刈取り直後の高水分籾を天日干しでゆっくり乾燥させたのち脱穀し、乾燥機に入れていたので割れなかったものが、今回は、刈取り直後の高水分籾が急激な高温乾燥により割れたものと推測されます。
平型乾燥機を使用する場合、籾が高水分時には送風で乾燥し、仕上げ時に35~40℃の火力乾燥にすれば割れることは防げます。最近普及している縦型の循環式乾燥機では、乾燥室の送風温度が50℃以上になっていたとしても、ごく短時間で貯留タンクに戻り、冷やされて、穀温は35~40℃までしか上がらないようになっており、これが繰り返されて最終設定の籾水分に仕上がる仕組みになっています。
しかし、乾燥機に入れた籾の量が「最低張り込量」まで達していないと、循環する間隔が早くなり、穀温が上がりすぎて割れてしまう原因となるので、最低張り込み量までは送風乾燥することが大切となります。
この方法だと、14%まで乾燥しても、割れる心配はないと思います。