提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ
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水田に畑作物を作付けた後、水稲に戻した時には、畑作期間の土壌の乾燥により、乾土効果で窒素成分が発現してくることが多くみられます。そのため、作付けに当たっては、肥料の施用量や品種の決定には、以下の注意が必要です。
(畑転換期間は1年なので、初年度の作付けの際に注意するだけで、その後は問題はないと思います。ただし、品種についてはコシヒカリの作付けは、2年ほど控えた方が良いでしょう)
①品種はコシヒカリ以外とする。
②グライ土(重粘土)・黒ボク土の場合:初年度は窒素施用量は慣行の50%以内、2年目以降は慣行量とする。
③灰色低地土、砂壌土等:初年度は慣行の8割程度、以降は慣行量とする。
④畦畔漏水も想定されるので、畦塗りは確実に実施し、透水性が良くなるので代かきをていねいに行う。
⑤栽植密度:やや疎植とした方が良い。15株/㎡(50株/坪)
大豆の栽培期間が2年以上になる場合、転換期間が長くなれば、土壌物理性の劣化が進みます。残存窒素量も多くなることがあり、窒素量に関しては3年以上の場合は、初年度は無肥料、2年目は50%、3年目は慣行とします。
ただし、これはあくまでも目安です。大豆栽培期間が長くなるほど地力の減退が大きくなり、土づくりをきちんと行うことや、施肥窒素を減量せずに施用する必要があります。その圃場の来歴によって結果は変わるので、大豆栽培が長期にわたった後の施肥設計は、最寄りの普及指導機関等に相談されることをおすすめします。