提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ
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籾の乾燥ですが、水分16%以上の籾を長時間常温状態に置くと、蒸れて醗酵や、カビ発生の原因になります。そこで、早急に水分16%以下まで乾燥させる必要があります。天候不順で乾燥ができない場合の対応は、以下のようにするとよいでしょう。
①天候が回復するまで、一時玄米貯蔵庫で保管する方法は有効だと思います。ネット製のコンバイン袋だと幾分低温で湿度も低いので、水分も低下すると思われます。
②ブルーシートは下からの通気性がなく、思うほど乾かなかったり乾燥ムラが発生しやすいので、ムシロ等の通気性のある物をおすすめします。
③天気が回復したら天日干しをおこなうとのことですが、直接天日に干すと胴割れ米の発生が多くなり、食味が低下します。できれば、薄く広げて陰干しをおこなう方が良いでしょう。
脱穀前の掛け干しの場合は、上下・左右から風(空気の動き)があり、晴天時でも急激な水分低下はありません。しかし、脱穀した籾を地干しする場合は、風の動きは表面だけになります。したがって、直射日光を受けている表面は急激に水分が低下し、籾すりした時に胴割れ米の発生が多くなり、食味も低下します。
籾の乾燥では、一部の籾を急激に乾燥させないことが大切です。乾燥機でも、運転中は常に籾を循環させ、全体の水分を均一に低下させるようになっています。
晴天時には、風通しの良い日陰でも16%以下まで水分を下げることは可能です。それでも表面と下では水分に差がありますので、2~3回は撹拌し、乾燥ムラが出ないように注意してください。
陰干しのスペースがなく、やむなく天日干しされる場合は、こまめに撹拌するとともに、水分を測定し、過乾燥にならないように注意しましょう。