提供:(一社)全国農業改良普及支援協会 ・(株)クボタ
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タイヌビエ、ケイヌビエ、イヌビエ、ヒメタイヌビエ、イヌビエ等を総称してノビエと言います。一年生雑草で、発生量が多く、代表的な水田の強害草です。
ヒエの多発田とは、水田土壌中に存在するノビエ種子数が極端に多くなり、除草剤が効きにくい状態になったものです。水田土壌中の種子数を減少させないと、僅かな変動要因によって、除草剤の効果振れにつながります。
その対策は、種子数を減少させることです。収穫後、秋の深耕作業で、土壌表層のヒエ種子を地中深くに埋設することも有効です。また、春の代かきにより、しっかりとした除草剤処理層が形成できるようにしてください。
圃場表面の凸凹や、歩行や車輪による穴等が水面に露出すると、その部分に処理層が形成できず、除草効果が不安定になります。代かきにより均平を保ってください。
水口、水尻はしっかり止めてください。土壌表面が露出しないよう、差し水で水中に没してください。水管理は畦畔の管理と併せて考えてください。畦畔に、漏水の原因となるモグラ穴やザリガニの穴などが空いていて、水が漏れだしている水田を見かけます。
水田除草剤の散布は、水管理が重要です。除草剤の散布にあたっては、田面水の水深を5cm程度にし、有効成分の拡散をスムーズにします。水管理不充分は、散布した除草剤や、肥料成分を捨てているのと同じです。また、ヒエの発生が早くて、除草剤の処理時期が遅れてしまうような場合には、田植同時除草が有効です。
最近では水田以外の環境に対する配慮が呼びかけられており、畦畔からの水漏れを防ぐことは除草効果を安定させる以外に、環境に配慮する意味からとても重要なことと言えます。
※代表的な水田除草剤には、「イノーバDX 1キロ粒剤」や、「イノーバDXアップ 1キロ粒剤」などがあります。