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信州発 “農”と言える日本人 【30】

2011年09月29日

野菜ソムリエ養成講座in軽井沢に参加した

                              高見澤勇太


 先日、野菜ソムリエ協会と軽井沢プリンスホテルが協力し、野菜ソムリエ協会『10周年記念スペシャルコラボ企画』と銘打って、短期集中講座(通信制・長野1期2日間スクーリング付き)が開催された。

 軽井沢プリンスホテルに宿泊し、朝採れたての高原野菜を堪能しつつ、プリンスホテルの鈴木シェフによる旬を感じる料理や、長野で活躍する先輩野菜ソムリエとの交流を通して、「知らないで食べる」から「知って食べる」を体験し、豊かな時間を過ごしませんか、というコンセプトで催されたものである。県内や首都圏から参加の方々に加え、遠くは鹿児島県の種子島、中国の上海からの参加者もいた。


 夕食会と長野コミュニティ合同懇親会に出席した。鈴木シェフの料理に対するこだわりや、使用されている食材などの説明を受けた後、地元産野菜をふんだんに使った、感動の料理を堪能した。その後の交流会では、全員の自己紹介のあと、先輩野菜ソムリエからの資格取得に対するアドバイスや体験談などが語られた。


  


 受講生の皆さんの職業は、調理師・これから農業を始める人・音楽の先生・看護師・スキーのインストラクター・主婦など、毎回のことながら多種多様だ。その中で一致しているのは「野菜や果物をもっと知りたい」ということだろう。
 ご主人の転勤で住む上海から参加された主婦の方が、「中国では基本的に生野菜を食べる習慣がない。野菜を洗う洗剤が売られているのを見て、食べていい野菜を自分で分かるように勉強したいと思った」と語っていたのが印象的だった。


 当日のアテンダントは、長野県のシニア野菜ソムリエ第1号で“野菜ソムリエコミュニティながの”代表の太田奈穂さんと、野菜果物の魅力、野菜果物に係る方々の想いを取材し、講演や原稿執筆をされている野菜ジャーナリストの篠原久仁子さんの2人。
 太田奈穂さんは、今年から須坂市農業委員にも選ばれ、果樹農家の嫁・食のイベント・講演会・フリーアナウンサーとますます忙しい毎日を送っているようだ。


 大事な人物を忘れていた。当日、野菜の提供をしてくれた農家の中に、わが南牧村のホウレンソウ農家、株式会社アグレスの土屋梓専務がいて、同席することになった。
 土屋氏は若干24歳ながら、野辺山高原で100坪のハウス126棟でホウレンソウを栽培している、南牧村若手農家のホープだ。野辺山高原では標準的なレタス・白菜の高原野菜から、夏場品薄状態になるホウレンソウに作目を転換して、成功を収めている。
 現在の売り上げが1億円、夢はでっかく、10年後には10億円! そして世界進出!夢を語れる農業青年がいるとうれしい。周りの人間も熱くなれる。


 自分は何か誇れるものがあるのだろうか? 最近、夢が見えなくなっている自分に気づいた。

たかみざわ ゆうた

1964年長野県生まれ 北佐久農業高校卒業後、すぐに家業である農家の後を継ぐ。長野県農業士協会会長(07・08年)、野菜ソムリエながの代表(08・09年) 、南牧村議会議員(07年~11年)。座右の銘は「ゆるく・楽しく・美しく」


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