信州発 “農”と言える日本人 【25】
2011年04月28日
人生は上々だ
高見澤勇太
任期満了に伴う統一地方選挙が各地で繰り広げられた。
わが南牧村でも、4月24日に村議会議員選挙が行われた。
今回の選挙に、自分は不出馬という形になってしまったが、1期4年間、教育や福祉、基幹産業の農業、道路整備などさまざまな勉強をさせていただいた。
1期目は勉強、2期目からが本領発揮というところなのだが。残念である。2期目3期目の議員の方の発言は力強さがある。1年生議員は4年経っても1年生のままだ。
今回の不出馬のいいわけをさせてもらえば、妻の猛反対に尽きる。
村議会議員は報酬が少ないので、議員以外に職業のある人か、退職者でなければ生活が立ち行かない。南牧村の場合、約15万円の議員報酬から議員年金と税金を引かれて、約12万円が振り込まれる。
議員の仕事をしっかりやろうとすれば、家業の農業は妻に任せきり。農作業をきっちりやろうとすれば、議員活動がおろそかになってしまう。そんなジレンマの中、議員と農業を両立させてきたつもりだった。
4月30日をもって、議員を退任して普通の農業青年になる。もう歳は中年だが・・・
しかし、議員はやめても、4年間の経験を活かすのはこれからだ。若者たちの思いを行政や新しい議会の方々にぶつけていくことを、これからも続けていく。
だが、現在の心境は“心にぽっかり穴が開いた”状態で、まだ農作業にも集中できていない。早く自分を取り戻さなければ!
人生にはいくつもの岐路があって、人は悩み、立ち止まり、そしてまた歩き始める。人の歩む道に、間違った選択はない。その時点では、それがべストの選択だからだ。「間違いだった」「失敗だった」と思うことがあれば、それはその経験を活かせなかった時だろう。
人生、何があってもポジティブシンキング。また、新しい朝がすぐそこまで来てるんだから。

たかみざわ ゆうた
1964年長野県生まれ 北佐久農業高校卒業後、すぐに家業である農家の後を継ぐ。長野県農業士協会会長(07・08年)、野菜ソムリエながの代表(08・09年) 、南牧村議会議員(07年~11年)。座右の銘は「ゆるく・楽しく・美しく」